調べたい市場のレポートを、ゼロから作るのは大変ですよね。
この回では、市場名を差し替えるだけで業界レポートの概要を出してくれるプロンプトを紹介します。
あわせて、文章でも画像でも、AIは仕上げの前まで使うというのが私の線引きです。
AIとの距離感に悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください!
マーケティングに力を入れたい
私は、フリーランスになって、もうすぐ4年になります。
独立して最初の1〜2年は受託の案件だけで生計を立て、2022年の後半からは、Kindle出版に力を入れています。
時間をかけた結果、少しずつ結果が出てきています。
今後は、マーケティングにも力を入れたいと思っています。
マーケティングとは、ひとことで言うと、営業をしなくてもお客様が集まる仕組みを作ることです。
最近流行りのプル型営業にも近いですね。
ブログや書籍でココナラのサービスを紹介して、依頼につなげるのも、マーケティングの1つの形です。
ここでは、海外で話題になったマーケティング資料づくりのプロンプトを、少し手直しして紹介します。
業界レポートの概要を作るプロンプト
あなたは業界歴30年超のベテラン市場アナリスト、神内です。
日本のAI市場をテーマに、専門的で詳しい業界レポートの概要を書いてください。
(ステップ)
1.「はじめまして。業界市場アナリストの神内です。」
と一言挨拶してください。
2.ユーザーが指定した分野や市場について整理してください。
3.追加の質問はせず、そのまま業界レポートを書いてください。
その際、どの時点までのデータを使ったかを必ず書いてください
(報告書の構成)
1.エグゼクティブサマリー
・業界の概要
・調査結果
・市場の見通し
2.はじめに
・業界のバックグラウンド
3.業界の概要
・業界の定義と分類
4.競争環境
・業界に強い企業の特徴
・市場シェア分析
5.業界の課題と機会
・業界が直面している主な課題
・新たなビジネスチャンス
・将来への期待と課題
6.結論
ポイントは、3つです。
- 役割:長い経験を持つ、業界市場のアナリストになりきらせる
- ステップ:挨拶、分野の整理、質問せずにレポートを作る、データの時点を明記する、と順番を決める
- 構成:レポートの目次と、各項目の中身を指定する
「それ以上質問することなく」と入れておくと、途中で聞き返されずに、最後まで出力されます。
地味ですが、効くひと言です。
ChatGPTの回答
「はじめまして。」
と挨拶したあと、2024年1月時点のデータにもとづく、次のようなレポートが出力されました。
- エグゼクティブサマリー:製造、ヘルスケア、金融サービスで、AIの応用が拡大している。機械学習、自然言語処理、画像認識が成長を牽引し、政府の支援策も後押ししている。今後数年も二桁成長が見込まれる
- はじめに:政府が「Society 5.0」を掲げて、AI技術の社会実装を進めている
- 2020年以降、年平均成長率10%以上で成長している
- 競争環境:自社の研究開発力、業界内のネットワーク、グローバル展開力を持つ企業が優位に立つ。スタートアップも活躍している
- 課題と機会:技術者の不足、個人データの扱い、倫理上の問題。AIとIoTの統合、ヘルスケアでの応用、スマートシティが機会
- 結論:技術革新と政府の支援により、強い成長が見込まれる。課題の克服と新しいチャンスの探求が不可欠
応用のしかた
今回はChatGPTが学習した範囲で作りましたが、手順の中に「インターネット検索で最新の情報を取得してください。」
と加えれば、Bingで検索して最新の情報を出力させることもできます。
(原稿の執筆時はBing検索でした。いまはChatGPT自体にWeb検索機能があります)
プロンプト内の「日本のAI市場」を、調べたい市場(自動車産業、卸売業など)に置き換えるだけで、別のレポートが作れます。
プロのマーケティング調査には及ばないとしても、最低限の情報収集には、十分役立ちます。
ただし、市場の数字は、必ず出典を確認してから使って下さいね。
最終工程の前までAIを使い、仕上げは人間がやる
ここからは、プロンプトの解説を離れて、生成AIとの付き合い方についての、私の考えをお話しします。
結論は、「生成AIは最終工程の手前まで徹底して使い、最終工程は人間が担う」のが最善、ということです。
今まで、生成AIに文章を書いてもらってきましたが、そのままアウトプットとして使えたことは、一度もありません。
画像生成AIは、簡単なものなら、背景や素材として使える、といったところです。
Midjourneyなどで本格的にプロンプトを作り込むなら話は別ですが、DALL-E3やAdobe Fireflyの画像の精度は、まだ安定していません。
ただ、単純な画像やアイコンなら、そのまま使えたものもありました。
動画や音楽の生成AIは、これからどんどん良くなる段階でしょう(あまり使っていないので、推測です)。
文章作成でのAI活用
生成AIが登場したとき、誰もが「文章を自動で作ってブログや書籍にし、楽に稼ごう」と考えたはずです。
ところが、実際に書かせてみると、期待どおりのものは出てきませんでした。
これまでにAIが書いた文章を読んで、すっと頭に入ってきましたか?
「内容は分かるが、もう少し読みやすくならないか」と感じた方は、多いのではないでしょうか。
プロンプトをどれだけ練っても、人にとって読みやすい文章を出力させるのは難しいです(精度は上がっていますが)。
とはいえ、人間がゼロから書くより、時間は大幅に短縮できます。
文章のラフ案をAIに作ってもらい、人間が修正する方法が、最適です。
AIが出した、人にはやや分かりにくい文章を、自然な日本語に「翻訳」し直す感覚です。
実例を見て下さい。
以下は、私が試したときにChatGPTが返した文章の一部です。
遅刻の対処:
Aさんと一対一で話し、遅刻について取り上げましょう。
頻繁な遅刻でチームに悪影響が出ている点を伝え、時間を守ることの重要性を説明しましょう。
内容は理解できなくもありませんが、かなり機械的な文章です。
これを人間が直します。
遅刻への対応方法
Aさんと一対一で、遅刻について話し合ってください。
Aさんの遅刻が続いていて、チームの皆に迷惑がかかっていることを、はっきり伝えてください。
続けて、始業時間を守ることがなぜ大切かを、Aさんに説明してください。
私が直した文章のほうが、読みやすいと思います。
「彼の頻繁な遅刻」を「Aさんが頻繁に遅刻すること」と主語をはっきりさせ、「話し合い」と「話しましょう」の重複を直し、指示の順番を整えるだけで、印象が変わります。
ベースはAI、最終仕上げは人間と割り振ると、うまくいきます。
画像作成でのAI活用
画像生成AIは、DALL-E3とAdobe Fireflyが中心で、Canva AIも少し使います。
主な用途は、自分が描くイラストの資料です。
難しいポーズを描きたいのに、手元に適当な資料がないときは、そのポーズの画像を生成してもらいます。
例として、「女の子が正座に近い姿勢で座り、何かに悩んでいる様子」のイラストを生成してもらい、漫画を描く際の参考にしました。
難しい背景やポーズの資料づくりなら、画像生成AIはもう十分に実用的です。