変動金利で住宅ローンを借りていて、最近の金利ニュースが気になる。

そんな方は多いのではないでしょうか? 私も、他人事とは思えません。

この回では、金利が上がると家計に何が起きるのかを、モデルケースの数字で確かめます。

変動金利の方は、ぜひ読んで下さい。


変動金利は、なぜ動くのか

近ごろ、変動金利はじわじわ上がっています。

理由は、銀行の気まぐれではありません。世の中の金利の流れに、合わせて動いているのです。


物価が上がりすぎると、日銀は金利を引き上げて、お金を借りにくくします。

そうなると、銀行が資金を集めるときの負担も重くなり、住宅ローンの金利にも、見直しの波が来ます。


世の中の金利が変われば、自分の金利も変わる。それが変動金利の仕組みです。


変動と固定のいちばんの違い

住宅ローンの金利には、2つのタイプがあります。

  • 変動金利:借りたあとで金利が動く。最初の金利は低い
  • 固定金利:決めた期間(または完済まで)金利が動かない。最初の金利はやや高い

この2つの違いは、金利が上がったときに、誰がリスクを取るかです。

変動金利なら借りた本人が、固定金利なら銀行がリスクを引き受けます。


怖いのは、変動金利そのものより、影響を知らないこと

変動金利を選ぶこと自体は、間違いではありません。

困るのは、上がる可能性と、上がったときの影響を、把握しないまま借りてしまうことです。


最低限、次の3つは確認しておきましょう。

1%上がったら返済はいくら増えるのか。いまの家計は、どこまで耐えられるのか。

固定と比べて、自分にはどちらが合うのか。


不安の正体は、たいてい「分からない」ことです。

仕組みを知って、金額で見えるようになれば、変動金利は、選択肢の1つとして冷静に扱えます。


モデルケース:世帯年収700万円・借入5,200万円

話を具体的にするため、次のような家庭を想定します。実在の物件とは無関係ですが、価格帯は近隣の相場に合わせました。

  • 住まい:神奈川県横浜市泉区(ゆめが丘駅が最寄り)
  • 家族:30代の夫婦と、小5の長女、小3の長男
  • 仕事:夫婦ともに正社員で、ペアローン
  • 世帯年収:700万円
  • 借入:5,200万円(頭金なしのフルローン)
  • 貯蓄:500万円(運用分を含む)
  • 5年後:返済額が月3万円増える見込み

年収の7倍を超える借入なので、条件はかなり厳しめです。


月3万円の増額で、家計は赤字になる

いまは、夫婦そろってフルタイムで働き、ペアローンを組む家庭が増えました。片方がパートに出る余地のある家庭なら、収入を足せます。しかし、すでに共働きで余裕がない場合は、打つ手がほとんどありません。そこへ月3万円が加われば、おそらく赤字になります。


金利しだいでは、増える額は4万円、5万円と膨らみます。子どもが育てば、部活や受験で、出費の山も来ます。


生涯収入の2割以上が、住まいに消える

7年でローンを返し終えた叔母から、こう言われました。

「住宅ローンを組んだら、ほかの贅沢はできないと思いなさい」。

この本のいちばん大事な言葉です。


家を買ったうえで、車も、旅行も、子どもの中学受験も叶えたい。

その気持ちは分かります。

でも、全部は叶いません。

会社員の生涯賃金には、おおよその上限があるからです。


最近の住宅は、5000万円以上する場合も珍しくありません。

生涯収入の4分の1以上が、すでに住まいの固定費として決まっている計算です。

残りで、物価高、増税、教育費の値上がりをまかなうことになります。


ゲームにたとえるなら、持ち点の大半を「住宅」の能力値に振った状態です。

生涯賃金が2億円なら、その2割超を、家に投じたと自覚して下さい。


収入を増やすか、支出を減らすか

返済が月3万円、4万円と増えるなら、手段は2つだけです。

収入を5万円増やすか、支出を5万円減らすか。両方でも構いません。


収入を上げるのは、簡単ではありません。

私がおすすめするのは、支出を大きく減らす方法です。

「今もぎりぎりで、支出を削る所なんてない」と感じるかもしれません。


ご安心ください。

ここで言っているのは、我慢の節約ではありません。

お金を使わなくても満足できる、考え方への切り替えです。


正しい思考を身につければ、理せず出費が減り、家族も楽しそうに過ごせます。

固定費が重くなる時期に、家計を守りつつ、満足度も落とさない。

これが、いちばん強い備えです。

変動金利の方にも、家賃の値上がりに悩む賃貸の方にも、使えます。