「1回くらい遅れても、大丈夫だろう」。

そんな気持ちが、家を失う入口になるかもしれません。

この回では、3か月の滞納から競売までの流れと、手遅れになった叔父の教訓を紹介します。

返済が苦しくなってきた方は、ぜひ読んで下さい。


住宅ローンで「負ける」条件は、ただ1つです。

返済が滞ること。


1回の遅れと、3か月の遅れ

引き落としが1回できなかったからといって、すぐにアウトではありません。

金融機関は、いきなり厳しい手段に出ず、順に督促しながら、少し待ってくれます。

残高不足などの一時的な理由で、1回程度なら、すぐ払えば問題ないケースもあります。


でも、ここで油断しないで下さい。

「一度くらいなら、大丈夫だろう」という甘い気持ちは、次の滞納も招きやすくします。

気づいたときには、取り返しがつかなくなります。


3か月以上の滞納で起こること

いちばん気をつけたいのは、3か月以上の滞納です。

この段階に入ると、銀行から、「残りを一括で払って下さい」という通知(期限の利益喪失通知)が届きます。

そのまま何もしなければ、半年ほどで競売に進むのが、一般的な流れです。


家を失うだけではありません。

競売で売れたあとも、ローンの残りは残ります。

生活の土台に、深刻なダメージです。

リーマンショックやコロナショックのころは、不況で収入が激減して、支払いが苦しくなった方も多かったでしょう。

信用情報にも傷がつき、その後の人生設計にも響きます。


助けを求めるのは、滞納の前

例外もあります。

返済が厳しくなりそうなとき、先に、銀行や住宅金融支援機構へ相談することです。

状況を正直に伝えれば、返済条件を組み直す「リスケジュール」などに応じてもらえる場合があります。


大事なのは、滞納してから相談しても遅いということです。

同じ「助けてください」でも、滞納前と滞納後では、銀行の受け止め方がまったく違います。

滞納前なら、「誠意がある」と見てもらえます。

滞納後は、選択肢が大きく狭まります。


だから、「1か月でも滞納したらアウト」と思っておいて下さい。

理由は、「残業代が減った」「失業した」「病気で収入がなくなった」の、どれでも構いません。

引き落としの前に、必ず銀行へ連絡しましょう。

それだけで、助けてもらえる可能性は、大きく上がります。


叔父の場合

手遅れになってしまった方が、身近にもいます。

叔父です。

督促状が届いた段階で相談していれば、返済条件の変更などの救済を受けられたはずでした。

ところが、通知を放置し、状況を見ないふりをして、先送りにしてしまいました。

気づいたときには、任意売却も間に合わず、競売しか残っていなかったのです。


銀行や不動産会社は、多くの場合、「任意売却を検討したほうがいい」と助言してくれます。

でも、家を手放したくない気持ちが強い方ほど、頑なに耳を貸さない。

結果として、家を失ってしまうんです。


叔父から学ぶ教訓

ここから学べる教訓は、3つあります。

  1. 自分で調べ、学ぶ。 ネットや本、専門家の動画など、頼れる情報源は豊富です
  2. 早めに動く。 返済が危うくなったら、滞納より先に、銀行へ連絡する
  3. 信頼できる人の意見を、素直に受け入れる。 自分の思い込みに固執せず、第三者の目を取り入れる


まずは、負けないこと

勝つためには、まず負けないことです。

繰り上げ返済ばかりに力を入れて、生活資金や教育資金を枯らしてしまうのも、危険です。

でも、それ以上に怖いのが、「滞納」という即死のわなです。

叔父のように、「気づいたときには手遅れ」にならないために。

日ごろから知識を磨いて、状況が変わったら柔軟に動く。

この姿勢を、ぜひ持っていて下さい。