住宅ローンや家計の悩みを、親だけで抱え込んでいませんか?

私は、家族で話し合うことが、家計を守る大きな力になると考えています。

この回では、残債を子どもと共有する方法と、お金を使わない親の関わり方を紹介します。

家計の話を家族としたい方は、ぜひ読んで下さい。


読み終えたら、家族会議を開く

この本を読み終えたら、次の休日に、家族会議を開いてみて下さい。

Kindleの画面を見せながらでも、構いません。

ローンの返済とは直接関係なさそうに見えて、これが、家計防衛の核心です。


話し合うのは、お金を使う所と、削る所。

そして、お金を使わずに、家族の時間を豊かにする方法です。

夫婦で、親子で、ぜひ。


残債を、子どもと共有する

子どもが小学校高学年から中学生くらいになったら、あえて、住宅ローンの話を伝えることをおすすめします。

残りの借入額、完済の時期、毎月の返済額を、具体的に話します。

銀行から届く返済予定表を、実際に見せるのもいいでしょう。


「うちは、立派な家に住んでいるけれど、このくらいのお金がかかっているんだよ」「お父さんとお母さんは、毎月14万円を返しているんだ」。

数字を出すことが、コツです。


共有する狙いは、2つあります。

1つ目は、子どもを安心させることです。

お金のことが見えないままだと、子どもは、ぼんやりした不安を抱えがちです。

正しく伝えるのは、家族の一員として信頼している、という表れでもあります。

2つ目は、家計の見直しを、家族みんなで考えるためです。

金利が上がれば、返済額が増える恐れもあります。

次の点を、いっしょに考えます。

  • 使っていないのに、お金がかかっている物はないか
  • もっと出費を減らす工夫は、できないか
  • 家族で力を合わせて、収入を増やす手はないか

家族を、1つの経営チームだと思って、対話してみましょう。


やってはいけない2つのこと

子どもとお金の話をするとき、守りたい約束が、2つあります。


1つ目は、お金の話を、我慢を押しつける道具にしないことです。

残高を見せながら、「お金がないから、節約しなさい」「欲しい物も旅行も、我慢しなさい」と責めるのは、厳禁です。

お金の話が、苦痛になってしまいます。

「無駄を減らすアイデアを、いっしょに出そう」と、前向きに声をかけて下さい。


2つ目は、子どものアルバイト代を、あてにしないことです。

高校生になると、バイトをする子もいますが、そのお金を、生活費の穴埋めやローンの返済に回させるのは、絶対にやめましょう。

子どもが稼いだお金は、本人の将来や、やりたいことのために使わせてあげて下さい。


子どもの率直な視点と、満足度を下げない見直し

子どもは、大人が思いつかない、まっすぐで合理的な案を出すことがあります。

状況を話したうえで、「どうしたらいいと思う?」

と聞くと、意外な答えが返ってきます。


「実は、あの習い事、もう楽しくないから、やめてもいいよ」「毎年の旅行は、混む時期に高いお金を払うより、近場でいいから、空いている時期にのんびりしたい」「車も、いまの大きなSUVより、コンパクトな車で、十分じゃない?」。


これらは、我慢ではなく、子ども自身の本音から出た、無理のない見直しです。

浮いたお金を、進学や留学の費用に回せると伝えれば、勉強や活動のやる気にもつながります。


見直しのコツは、家族みんなの満足が変わらない、あるいは上がるものから、手をつけることです。

切り詰めすぎると、続きませんし、家の空気も暗くなります。

「これをやめても、私たちの幸せは変わらないね」と、納得できる点を、家族で探してみて下さい。

ローンという大きな課題が、親だけの悩みから、家族のプロジェクトに変わります。

それが、生きたお金の教育になり、家族の絆を深めるきっかけにもなります。


良い親とは、お金を使う親ではない

最後の鉄則が、いちばん大事かもしれません。

「良い親は、子どもにお金を使う親」という思い込みを、手放して下さい。

高価なプレゼント、毎週の外食、頻繁な旅行。

それが、必ずしも愛情の証ではありません。

もちろん、たまには楽しんでいいのです。

何も贈らないのは、子どもにとって、寂しい思い出になります。


私は、裕福な家で育ったわけではありません。

それでも、家族での買い物、地元の遊園地、外食など、お金のかからない思い出が、たくさん残っています。

大切なのは、お金をかけることではなく、時間をともにすることです。


いっしょに遊び、親の仕事を見せる

時間を分かち合うのに、お金は要りません。

サッカー、キャッチボール、釣り、公園遊び。

休日に、「遊びに行こうぜ」と誘うだけで、子どもは、十分に喜びます。


できれば、親の仕事も見せましょう。

会社のホームページを開いて、「お父さんは、こういうものを作っているんだよ」と話す。

運転士なら、実際に乗り物に乗ってもらう。

建設の仕事なら、現場のクレーン車を見せて、「パパは、あれを動かしているんだ」と教える。

最近は、職業体験の場もあります。

親が働く姿を見せるのは、最高の社会勉強です。


子どもは、「僕たちのために、こんなに大変な仕事をしてくれているんだ」と、尊敬と感謝を抱くはずです。

職場を知ってもらうのに、ほとんどお金はかかりません。