表紙はCanvaで作っても、原稿まで作る方は少ないのではないでしょうか。

私は原稿までCanvaで作っています。

この回では、その利点と有料版の違い、新機能の使いどころ、本文ページやグラフの作り方を紹介します。

Canvaでの本づくりを考えている方は、ぜひ読んで下さい。


表紙だけでなく原稿までCanvaで作る

表紙をCanvaで作る方は多いですが、原稿のファイルまで作る方は、ほとんどいません。

原稿をCanvaで作ると、利点があります。

作ったデータはリアルタイムでサーバーに保管されるので、いちいちパソコンに保存しなくて済むのです。

注意したいのは、オフラインでは作業できないことです。

オフラインで作業するなら、先にテキストファイルで原稿を書いておくといいです。


Canvaは無料でも使えますが、有料版だと便利な機能が増えます。

  • すべての素材が使える
  • 1アカウントにつき1名のみ利用できる(2026年10月時点のCanva公式の料金ページ)
  • クラウドのストレージが5GBから100GBになる
  • 背景リムーバが使える
  • フォントを自由に追加できる
  • SVGファイルで画像を保存できる
  • 背景を透過(透明)にして出力できる(PNGのみ)
  • 画像の圧縮ができる

予算に余裕があるなら、登録してみたいところです。

2026年10月時点の公式の料金ページでは、Canvaプロは1人あたり年間11,800円と表示されています(税込かどうかの記載はありません)。


追加された新機能の使いどころ

この解説のもとになった本は2022年5月に出版しましたが、2023年になって機能が大きく追加されました。

図解の書籍や海外向けの書籍を出す方には、十分活用できる機能です。

無料版と有料版では、使えるページ数などに制限があるので、利用前に確認して下さい。


描画機能は、手書きの文字やイラストを入力する機能です。

本に直接、手書きのメッセージを入れたいときに向いています。

翻訳機能は、デザインを100以上の言語に翻訳できます。

無料版は累計50ページ、有料版は月間で最大500ページまでです。

ただ、機械翻訳なので、精度はあまり期待できません。

実際に試しましたが、使い勝手は微妙でした。

Google翻訳などに対応していない言語に訳すときには、使えるかもしれません。


画像生成機能は、原稿の執筆時は1日25回まで使えました。

2026年10月時点の公式の料金ページでは、無料版は標準または高品質モデルを最大20回、プロは高品質モデルを最大200回、または最高品質モデルを最大20回と案内されています。

左サイドバーのテキスト入力画面で、具体的に指示すると画像が生成されます。

「ブレザーの制服を着た女子高生」と指示してみたところ、昔ならお金を払って描いてもらうレベルのイラストが出ました。

ただ、希望どおりに生成されるとは限りません。

自分で描くか、外注したほうがいい場合もあります。

AIは便利ですが、依存しすぎないようにしたいところです。


「Canvaアプリ」を使っている人は1割未満

もう一つ便利なのが「アプリ」です。

スマホアプリではなく、Canvaのメニューの左側の「アプリ」画面から使える、Canva内の便利なアプリです。

基本は無料ですが、課金が必要なものや、開発元のサイトで会員登録が必要なものもあります。

画像生成、QRコードの作成、模様を作るアプリまで、種類は豊富です。

使っている方が1割にも満たないのは、ほとんどのアプリが英語であることと、機能自体を知らないことが理由だと考えています。


2023年にAIイラスト生成や描画機能が追加され、100以上の言語に翻訳する機能も加わりました。

Canvaで電子書籍を出すなら、有料版がおすすめです。

無料版でも十分使えますが、有料版はコスパが高いです。

本格的に原稿を書くなら、切り替えを検討して下さい。

一部の素材は、有料版でないと使えません。


本文ページとグラフ・表の入れ方

本文の作り方は、表紙と同じ考え方です。

むしろ背景画像が要らない分、表紙より簡単です。

帯と同じ手順で、素材から四角を入れて本文の枠を作り、本文のスペースにテキストを入れて、原稿を書くだけです。

一度レイアウトを決めれば、コピーや変更が簡単にできます。

読むだけだと難しいので、まず一度、Canvaで原稿を書いてみて下さい。


簡単なグラフや表なら、Canvaで作れます。

挿入できるのは、棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ、進捗円グラフ、表、吹き出しです。

高度なグラフには対応していない場合があり、そのときは画像制作ソフトでグラフの画像を保存して使えば大丈夫です。

グラフは「素材」で「グラフ」と検索し、クリックするとパラメータを入力できます。

この操作は、すべてのグラフで共通です。

表も「素材」で「表」と検索すると出ます。

挿入後は、右クリックでさまざまな操作ができます。

文字を入れるときは「テキスト」に変更してから、セルをダブルクリックします。

セルを選んでCtrl+Cで書式をコピーし、Ctrl+Vで貼れますが、背景色もコピーされるので注意して下さい。

吹き出しは「素材」で検索します。

対話形式の電子書籍を出す方は、ぜひ挑戦してほしい機能です。


見た目は読んでもらうための土台

ここまでの方法は、電子書籍の見た目をよくするためのものです。

勝負は、最終的には内容です。

ただ、他の作家の本を何十冊も読んで感じたことがあります。

内容がとても素晴らしいのに、文字の大きさやレイアウトが整っていないせいで、読む意欲が落ちてしまう本がありました。

内容が悪いわけではありません。

レイアウトがしっかりしていれば、最後まで読み進めてもらえます。

Canvaは無料版だけでも十分使いこなせます。

ぜひ挑戦してみて下さい。