Canvaでの電子書籍づくりを説明してきましたが、実は初心者にはあまりおすすめしていません。
この回では、その理由と、Wordで作るリフロー型の利点、固定レイアウトとの使い分けを紹介します。
これから1冊目を作る方は、ぜひ読んで下さい。
Canvaの方法は初心者に向かない
理由は、mobiファイルづくりが、かなり手間だからです。
私は固定レイアウト型で何冊も出していますが、最初のうちはWordを使ったリフロー型で出版するほうがいいと考えています。
リフロー型には、固定レイアウトにない利点がたくさんあります。
リフロー型は、固定レイアウトに比べて、ページ数を稼ぎにくいです。
だから、今までは固定レイアウトをすすめてきました。
しかし、Amazonの方針が変わり、テキストベースの本は、原則リフロー型で出すルールになりました。
渋々リフロー型で出したところ、なんとベストセラーが取れたのです。
「リフロー型ではベストセラーは出せない」と、勝手に思い込んでいました。
その考えは間違いでした。
今は、むしろリフロー型のほうがベストセラーを出せるのでは、とさえ思っています。
リフロー型の利点
- ファイルが軽い
- 読者が文字サイズを自由に変えられる
- リンクの数に制限がない
- Wordだけで作れる
スマホで書籍をダウンロードする方は増えています。
あまりに重いと、ダウンロード数が落ちるかもしれませんが、リフロー型なら軽くて、サクサク落とせます。
固定レイアウトにも拡大はありますが、文字だけを大きくはできず、ページごと拡大されます。
Canvaの固定レイアウトでは、リンクを1ページに1つしか貼れません。
リフロー型なら、2つ以上でも貼れます。
そしてWordだけで作れるので、誤字脱字のチェックもでき、一石二鳥です。
手間の面でも利点があります。
出版手続きがとても楽です。
固定レイアウトは、ページを1枚の画像として出力してから、mobiファイルを作らなければなりません。
そのために使うKindle Comic Creatorは、やたらに癖があって、使いこなすのが難しいです。
再出版も簡単です。
Kindle出版は、1回出して終わりではありません。
誤字脱字があれば修正版をアップして、クオリティを高めます。
出版済みの本の内容を更新する必要もあるので、簡単に出し直せるリフロー型が向いています。
連続スクロールで読めることも大きいです。
固定レイアウトから戻ってきた一番の理由が、これです。
固定レイアウトは、ページをめくるたびにカクついて、少しストレスです。
連続スクロールなら、楽天の商品ページのような長いWebページを読む感覚で、サクサク読書できます。
言葉だけだと分かりにくいので、YouTubeで「連続スクロール」と検索して、見てみて下さい。
Wordの目次を作るときの注意
リフロー型では、先に章と節を決めてから書きます。
原稿の完成後に、目次を自動で出力するためです。
章と節が決まっていないと、目次を出力できません。
タイトルはあとから変えてもいいのですが、目次を出力する前に見直しておきましょう。
目次は、最初のページではなく、「はじめに」などのリード文のあとに置くのがおすすめです。
先頭に置くと、サンプルが目次だけで終わって、本文が読めない可能性があります。
3万文字以上の長い本なら、最初に置いても構いません。
細かく考えすぎず、出版を重ねるうちに慣れます。
手順は次のとおりです。
- 目次を入れたい場所にカーソルを置く
- 「参考資料」タブから「目次」→「自動目次」を選ぶ
- 目次の一番上が「内容」になっていたら「目次」に変える
- 目次の枠をクリックし、「目次の更新」を選ぶ
- ポップアップで「目次をすべて更新する」を選んでOKを押す
リフローか固定かを迷ったら
リフロー型を推奨する大きな理由は、Wordだけで原稿を作れることです。
表紙は、Canvaなどのデザインアプリで作ります。
固定レイアウトで出すには、Canvaで原稿を作り、JPEGでダウンロードし、mobiファイルを作る、という3つの工程が要ります。
Wordなら、原稿を作るだけです。
ただし、リフロー型にもデメリットがあります。
レイアウトが崩れることです。
画像の位置がずれたり、マーカーの位置が合わなくなったりします。
作り方次第で改善できるようですが、初心者には厳しいです。
そこで、3つのパターンで考えます。
1つ目は、文章がメインのビジネス本で、リフロー型一択です。
Canvaはデザインツールなので校正機能がありません。
Wordで原稿を作れば、校正をしっかりしたうえで出版でき、データも軽く、メンテナンスも楽です。
2つ目は、レイアウトにこだわったレシピ本で、固定レイアウトにします。
リフロー型は、画像の細かい位置を指定できないからです。
3つ目は、文章メインだけれど、対話シーンを入れたい本で、判断が難しいところです。
答えはリフロー型で、対話のシーンだけを画像にして、残りをテキストにします。
対話形式の部分だけをまとめて1枚の画像として作れば、レイアウト崩れのないリフロー型の書籍になります。
ただし、対話形式の部分が全体の6〜7割を超える場合は、固定レイアウトでもよいです。
基本はリフロー型で、画像を多用する場合に、固定レイアウトを検討して下さい。
リフロー型でも印税は稼げる
リフロー型は印税が稼げない、と思う方もいるでしょう。
私のベストセラー本には、1ヶ月以上ランキングをキープしているものがあり、その本はリフロー型です。
具体的な金額は伏せますが、かなりの印税を稼いでくれています。
ベストセラーを出せた理由は、2つだけです。
ページ数を増やし続けたことと、YouTubeで書籍を宣伝したことです。
ページ数を増やし続けるのは、読者の満足度を上げる意味でも続けたい工夫です。
YouTubeで宣伝動画を作ったことについては、相性はまだ検証中で、宣伝したからといって、確実にランキング入りするとは限りません。
それでも、再生回数が伸びたときは、紹介した書籍が有料購入されることが多く、全く相関がないとは言えないはずです。
YouTubeチャンネルを運営しているKindle作家は、まだ少数です。
動画編集の知識は必要ですが、書籍を大きく宣伝できる媒体であることは間違いありません。
YouTubeを運営しているなら、Kindle出版にもぜひ挑戦して下さい。