仕事でChatGPTを使いたいけれど、情報が漏れないか不安で踏み出せない方はいませんか?

また、会社ではそもそも使えない、という方もいると思います。

この回では、学習させない設定と、会社で使えないときの状況別の工夫を紹介します。

会社でAIを使いたい方は、ぜひ読んで下さい!


入力した情報は学習される可能性がある

ChatGPTは、入力された情報から学習を重ねて、精度を上げています。

つまり、あなたが入力した内容が、学習に使われるかもしれないということです。

だから、機密情報や個人情報は、絶対に入れてはいけません。

一時期、ニュースになるほどの大問題になったのを、今でもよく覚えています。


学習させない2つの方法(2024年2月6日追記)

企業がChatGPTを使うとき、いちばん心配するのが、送ったデータが学習されて、大切な情報が漏れてしまうことです。

機密につながる情報を入れないのは大前提です。

ただ、具体的な数字や名前を伏せたつもりでも、文脈次第では、社外秘のプロジェクトの中身が推測されるおそれは残ります。

そこで、入力内容を学習させないための手段を2つお伝えします。


1つ目は、チャット履歴とトレーニングの設定をオフにすることです。

ChatGPTの設定画面から「データ制御」を開き、「チャット履歴とトレーニング」を切ると、入力したプロンプトは学習に回りません。

これは原稿を書いた2024年2月ごろの画面の説明です。

2026年10月時点の画面では、設定の「データコントロール」にある「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにします。

オフにしても、会話は履歴に残ります。

履歴に残したくないときは「一時チャット」を使います。

1〜2回だけ使いたいときに向いています。


当時の画面では、オフにすると、入力ボックスの色が黒に変わりました。

色は変わりますが、入力も回答も、これまでどおりです。

ただし、会話の履歴に残らず、30日以上の保存もできません。

かなり使いにくいので、どうしても学習されたくないときだけ使いましょう。

左側のサイドバーには、「チャットをクリア」と「チャット履歴を有効にする」の表示が現れます。

「チャットをクリア」を押すと、これまでの会話がすべて消え、履歴にも残らないので、必要ならスクリーンショットか、テキストのコピペで保存します。

チャットをクリアしても、「チャット履歴とトレーニング」の設定はオフのまま保たれます。

「チャット履歴を有効にする」を押すとオンに戻せますが、この場合も履歴には載らないので、残したい内容は保存して下さい。


2つ目は、Teamプランに入る方法です。

企業で本格的に使うなら、おすすめです。

利点の一つとして、「チームのデータは初期設定でトレーニングの対象から外される」とされています。

いちいちオフにしなくても、送ったデータは学習されません。

ただ、年間費用は1人300ドルで、最低2人からの契約でした。

1人で使う場合も、2人分になります。

これは原稿を書いた2024年2月ごろの料金です。

TeamプランはChatGPT Businessに名称が変わり、2026年10月時点では、年払いで1人あたり月20ドル(月払いは25ドル)、2人から契約できます。

データがデフォルトで学習に使われない点は、同じです。

2人分の年払いなら、年480ドルです。

当時の2人分の年間契約は約9万円(600ドル)で、企業なら問題ない金額でも、フリーランスなど個人が使うには、かなり重いものでした。

ちなみに、ExcelVBAのコードを出してもらうだけなら、機密をそこまで心配する必要はありません。

ただし、プロジェクト名、社名、個人名をうっかり書き込まないよう、注意しましょう。


会社でChatGPTが使えないときの工夫

最近は、大手企業や自治体を中心に、ChatGPTを業務で使う動きが広がってきました。

2026年7月に公表された総務省の情報通信白書(令和8年版)では、生成AIを何らかの業務で使っている日本企業は、86.4%でした(2024年度の調査は55.2%)。

それでも、大半の会社はまだ慎重で、自由に使える環境ではありません。

特に、考え方の古い会社は、新しいものへの抵抗感が強く、禁止しているところも多いでしょう。

そういう職場では、いったん「会社でChatGPTを使う」ことを諦めましょう。

「それじゃあ、VBAの自動化ができないのでは?」

と思いましたか?

鋭いですね。

でも、状況別に、手は残っています。


会社でネットは見られるが、ChatGPTにログインできない

次の7ステップで進めます。

  • VBAで実現したい仕様を整理して、ノートに書き出す
  • ノートを自宅へ持ち帰り、自分のパソコンでChatGPTを開く
  • 架空のデータを用意して、VBAのコードを出力してもらう
  • 出てきたコードを、自分のホームページに載せておく
  • 翌日以降、出社したら、自分のHPにアクセスしてコードをコピペする
  • 微調整を繰り返して、ツールを完成させる
  • 検証したうえで、自動化をスタートする

ちょっと大変ですが、一度自動化すれば、以降の作業がとても楽になります。

最近は、残業時間の削減を求められることも多いので、「残業を減らすために」と上司に伝えれば、理解してもらえるかもしれません。

VBAツールの開発で、困ったときにネットで調べるのは、当たり前のことです。

他人のサイトか自分のサイトかの違いだけで、問題が解決できればそれでいいのです。

最終的に、上司や客先に出すデータでなければ、一度自分で作って、どんな感じになるか検証してみるのも大切です。

いずれにしても、焦って自動化しないこと。

自動化したせいでミスが出たら、元も子もありません。

コードを置くHPは、無料のもので十分です。

そのために、わざわざサーバーを借りてWordPressを入れる必要はありません。

私は既存のサーバーにサブドメインを作って、そこに一部を公開しています。

でも、まだ契約していないなら、無理しなくて大丈夫です。

手軽なのは、はてなブログかnoteで、どちらも無料で始められます。

コードをアップしたら、分かりやすいタイトルをつけて保存し、会社からアクセスできるよう、サイト名やURLをしっかり覚えておきましょう。


会社でネットが見られない

会社でネットが使えない、専用のパソコンがない、という場合は、お手上げに思えますが、まだ方法があります。

自宅でChatGPTにコードを出してもらい、プリントアウトして会社に持っていくのです。

チャット履歴を印刷して持っていきます。

紙なら、パソコンの画面を作業に使えるので、一石二鳥です。

自宅にプリンターがなければ、コンビニプリントでもOKです。

ただ、印刷のたびにお金がかかります。

1,000枚印刷したら、1枚20円で2万円です。

出力する機会が多いなら、エコタンク対応のプリンターを購入するのも一案です。

数千枚分のインクが最初からついてくるので、印刷し放題です。

同じ職場にプリンターを持っている方がいるなら、お昼をごちそうする代わりに、印刷してきてもらうのもありです。

コンビニに払うか、同僚づきあいに使うか、お金の行き先が違うだけのことです。


私物の持ち込みが厳しく制限されている

大きな機密を扱う会社や部署は、私物の持ち込みが厳しく制限されます。

私にも、誰もが知る大手企業に、半年ほど常駐した経験があります。

携帯電話もノート類も、一切持ち込めませんでした。

そのときの答えは、シンプルです。

自宅のパソコンで自動化ツールの作り方を練習し、会社の環境で同じように再現するのです。

自宅である程度練習すれば、コードのパターンも頭に入ってきます。

そう、あなたの頭に、VBAのコードをインプットするのです。

どんなに持ち込みが厳しい会社でも、人間の記憶や知識までは消せません。

もし、そんなことまで企むような会社にお勤めなら、悪いことは言いません。

それなら、さっさと退職届を出して、その職場から離れましょう!

…というのは冗談ですが、どんな状況でも、何かしらの手段は残されています。

最後まで諦めないで下さい。