画像生成AIといえば、言葉を入れて絵を作るもの、というイメージが強いですよね。
でも、絵から絵を作ったり、絵から言葉を作ったり、気に入った画風を呼び戻したりすることもできます。
この回では、3つの小技を実際に試した結果を紹介します。
画像生成AIをもっと使いこなしたい方は、ぜひ読んで下さい!
3つの小技の概要
画像生成と言えば、言葉から絵を作るものと思いがちです。
ここでは、絵から絵を作るアプリと、絵から言葉を作るGPTsを紹介します。
線画を画像にする Canva のアプリ
Canvaに用意されたアプリは、200種類以上あります。
サービスと連携できるものも多く、最近はデザイナーでもCanvaを使う方が増えています。
私が使ってみて良かったアプリの一つが、「Sketch To Life」です。
線画から画像を生成します。
日本語にすると、「あなたの絵に命を吹き込む。どんな落書きも、リアルな画像に変えます」
といった内容です。
Canva Proなら回数の制限はありません(利用状況によっては制限される場合があります)。
さっそく描いてみました。
私は液晶タブレット(液タブ)を持っているので、マウス版と液タブ版の両方を描いてみました。
マウスで描いた岩は、川の中にある大きな岩の線画です。
プロンプトは、日本語が「川の中にある大きな岩」、英語が「Big rock in the river」です。
狙いとは違うものの、川に大きな岩が置かれた絵にはなっています。
次は、液タブで描いた木の落書きです。
使ったプロンプトは「とても大きくて荘厳な木」(英語では Very large and majestic tree)です。
先ほどよりも、リアルに近い画像ができました。
道具や描き方で、結果は変わります。
線をていねいに描くほど、イメージに近づく印象です。
画像からプロンプトを作る GPTs
逆の発想のGPTsもあります。
画像を渡すと、その画像を作るためのプロンプトを書き出してくれます(利用者は1,000〜2,000人)。
画像生成AIの逆引きです。
自作のキャラクターで試しました。
描き下ろしたマスコットキャラクターの女の子(名前は永愛茶子ちゃん)の絵を渡して、「このイラストのプロンプトを作って下さい」と頼みました。
英語と日本語の両方で、プロンプトが返ってきました。
内容は、長いピンク色の髪とまっすぐな前髪、大きな青い目、茶色のブレザーに白いシャツ、青いネクタイ、ベージュのプリーツスカート、黒のハイソックスと茶色の靴、右腕を少し横に伸ばして立つポーズ、クリーンなデジタルアニメ風、背景は白一色、という細かいものです。
そのプロンプトをDALL-Eに入れて、どこまで再現できるかを見ました。
英語でも日本語でも、再現度はかなり高く、あまり違いはありませんでした。
生成画像でも試しました。
画像生成AIが作った写真を渡して、プロンプトを聞きました。
夜の都市を背景に、白いスポーツカーが近未来的な高速道路を走る、街の光が鮮やかで、ヘッドライトが道を照らす、という写真です。
その英語のプロンプトをDALL-Eに入力したところ、元の画像(Adobe Fireflyで生成)より、DALL-Eの画像のほうが完成度が高くなりました。
この種のGPTsは、イラストの勉強にも役立ちます。
気に入った絵の特徴を言葉で説明できなくても、プロンプトに直してもらうと、「何が絵の印象を決めているか」が見えてきます。
自分の絵を渡して、どんな言葉で表現されるかを見る使い方もあります。
もっとすごいGPTsが今後も出てくるかもしれません。
要チェックです。
DALL-E3で画像を作るときの活用法として、「シードパラメータ(シード値)」を紹介します。
画像生成AIにおける、乱数の出発点となる値のことです。
DALL-E3で作った画像のシード値をChatGPTに聞き出し、次の画像生成のプロンプトに足せば、似た画風の画像が作れます。
実際に試しました。
まず画像を生成して、シードを聞く
最初に使ったのは、「Japanese, female, 16 years old, jumping, medium hair, Japanese Anime style, pastel color, pink jacket, Y shirts, red skirts, standing」というプロンプトです。
日本人、女性、16歳、ジャンプ中、ミディアムヘア、日本のアニメ調、パステルカラー、ピンクのジャケット、Yシャツ、赤いスカート、立ち姿、という意味です。
活発な女子高生のイラストが生成されました。
続けて「このイラストのシードパラメータを教えてください」と尋ねると、シードパラメータは3328342992だという返事でした。
同じプロンプトでも、できあがる画像は毎回変わります。
もう一度、まったく同じプロンプトで試すと、髪型や服の色はほぼ同じでも、ポーズは全然違いました。
この画像のシード値は別の数字(1053861002)でした。
気に入った画像が出たら、そのシード値をChatGPTに確認してメモしておきましょう。
自分で描いたイラストに適用する
自分で描いた絵を、シード値の画像に近づけることもできます。
今年の年賀状に描いたオリジナルキャラの絵を読み込ませ、先ほどのシード値を指定して、画像を作ってもらいました。
絵柄は微妙に変わりましたが、髪の色や着物は似ていました。
同じシードパラメータで、もう一度生成すると、まったく同じ画像でした。
ただし、アップロードした画像を参照する場合は、精度が少し落ちます。
新しいプロンプトにシードを追加する
もう一つの使い方は、新しいプロンプトにシード値を足すやり方です。
使ったのは、最初のイラストのシード値です。
「taking classes, looking sleepy, drooling, 3328342992」(授業中、眠そう、よだれ)と入れてみたところ、眠そうに授業を受ける人物は描かれましたが、男性2人の絵になり、絵柄もまったく違っていました。
シードパラメータは、絵柄や色などの詳しい情報までは持っていないようです。
そこで、プロンプトを練り直しました。
Japanese, female, 16 years old, medium hair, Japanese Anime style, pastel color, pink jacket, Y shirts, red skirts, in class, looking sleepy, drooling
Use the seed parameter 3328342992 to generate the image.
最初のプロンプトの条件をそのまま残し、最後に「シードパラメータ3328342992で画像を生成してください」と加えます。
今度は、しっかりした画像が生成されました。
シードパラメータをプロンプトに入れるときは、生成してほしい内容を省かず、詳しく書かないと、うまく反映されません。
1回の会話でシードも教えてもらう
画像を生成してからシードを教えてもらう方法だと、2回の会話が必要です。
画像生成はGPT-4でしか使えず、回数制限があります。
ChatGPT Plusは3時間に40回、Teamは3時間に100回までで、無制限なのは大企業向けのEnterpriseだけです。
(原稿の執筆時の制限。2026年10月時点では仕組みが変わっています)
そこで、プロンプトに「生成した画像のシードパラメータも教えてください」と一言添えれば、1回の会話で済みます。
毎回付けるのが面倒なら、そうした指示をあらかじめ組み込んだ、自分用のGPTsを作る方法もあります。
画像と、シードパラメータ、その説明を、一度に出力してもらえます。
シード値は、同じプロンプトから同じ画像をもう一度作れるよう、ランダム性を固定する数値です。
気に入った画像が出たら、シード値を記録しておきましょう。