日本語で聞いたのに、返ってきた答えが短くて物足りなかったことはありませんか?
実は、英語で頼むと答えが濃くなることがあります。
この回では、その理由であるトークンの仕組みと、英語が苦手でも使える手順を紹介します。
ChatGPTの答えをもっと詳しくしたい方は、ぜひ読んで下さい!
英語のほうが精度が上がる理由はトークン
英語でプロンプトを作ると、精度が上がります。
理由は、トークンです。
英語は、日本語より文字数あたりのトークンが少ないので、同じ意味のプロンプトでも、出力がたくさん出ます。
日本語は英語のおよそ2.5倍のトークンを使い、ChatGPTが出力できるトークン数は、4,000前後が上限です。
これは原稿を書いた2023〜2024年ごろの前提です。
2026年10月時点のモデルで同じ差が出るかは、同じ内容を日本語と英語で送って、見比べて確かめて下さい。
それに、ChatGPTはアメリカで生まれたサービスです。
日本語で入力すると、いったん英語に翻訳してから処理するので、そこでも精度が落ちます。
とはいえ、日本人には英語が苦手な方がとても多いですよね。
そこで、英語が苦手でも、英語でプロンプトを作って処理させる方法を紹介します。
途中で英語の文章を見ますが、意味が分からなくても、まったく問題ありません。
手順は4つ
日本語でプロンプトを作り、DeepL翻訳などで英語にして、英文をそのままChatGPTに貼って送り、返ってきた英語の結果をChatGPTで日本語に翻訳します。
1つ目の日本語のプロンプトは、あとで翻訳するので、できるだけ分かりやすく、詳しく書きます。
たとえば「化学のテストで80点以上取るには」と聞くだけでも、最近のChatGPTは最低限の答えを返します。
それでも、試験範囲、出題形式、現在の点数、目標点まで書いたほうが、精度が上がるのは当然です。
プロンプトは、精度を磨いた人が勝ちます。
2つ目の英訳は、DeepL翻訳にアクセスして、日本語を貼り、右側の英訳をコピーします。
DeepLは、無料プランだと利用制限がかかることがあるので、そのときはGoogle翻訳などで代用して下さい。
3つ目は、コピーした英文をそのままChatGPTに貼りつけて、Enterを押します。
4つ目は、返ってきた英語の回答を、ChatGPTで日本語に訳すことです。
「次の英語を、分かりやすく読みやすい日本語に訳してください。」
というプロンプトに続けて、英文をそのまま貼ります。
DeepLでも試しましたが、ChatGPTのほうが、翻訳の精度が高かったです。
精度の高いアプリがほかにあれば、それを使って構いません。
一気に訳すとトークンの制限に引っかかるので、長い回答は2〜3回に分けましょう。
リライトしてもいいですし、「もう少し分かりやすく」と追加で頼んでもOKです。
日本語でも使えるようになってきた
2023年10月のアップデートで、日本語で聞いても、かなり精度の高い答えが返るようになりました。
ただ、トークンの制限があるので、英語で送ったほうが、情報量は多くなります。
有料のGPT-4に切り替えるなら、プロンプトは必ず英語にして下さい。
GPT-4は、今のChatGPTでは選べません。
今のモデルでも英語のほうが濃くなるとは限らないので、まず日本語のまま試して、物足りなければ英語にする、という順番をおすすめします。
実験:カフェの企画書を日本語と英語で比べる
ChatGPTを使えば、企画書のラフも簡単に作れます。
もちろん、そのまま使うのではなく、自分でブラッシュアップすることが大切です。
今回は、ホームページ制作会社のマネージャーという立場で、企画書をつくってもらいました。
お題は、女性に人気のカフェのWebページです。
先に、英語が有利になる仕組みをおさらいします。
英語は1ワードが1トークンで、日本語は1文字が1〜3トークンです。
出力できるトークン数に上限があるため、1文字あたりのトークンが少ない英語のほうが、多く書けるのです。
「日本語で出してもらったけど、文章が短いな」と思ったことはありませんか。
日本語のプロンプトは、「あなたは、ホームページ制作会社のマネージャーです。女性に人気のカフェのホームページを、リニューアルすることになりました。最適な企画書を作ってください。【コンセプト】10〜20代の女性に人気/インスタ映えするおしゃれなメニュー/東京・表参道で、アクセスも便利【要望】スマホでも見やすい/配色はお店のイメージのパステルカラー/カフェやメニューの写真をおしゃれに載せる」
でした。
出力は、「プロジェクトの概要」「カフェのコンセプト」「ウェブサイトの目標」「デザインと機能(配色・レイアウト・写真)」「スケジュール」「予算」「お問い合わせ」の7項目です。
ただ、スケジュールの日付は「MM/DD/YYYY」、予算は「XXX,XXX円」のまま、問い合わせ先も穴埋めの状態でした。
下書きとしては十分かもしれませんが、もう少し詳しい情報がほしいところです。
同じ内容を英語にして送ると(「You are the manager of a website production company.」で始まる文です)、クライアントへの提案書の形式で、次の7項目が出力されました。
- デザインと美学:カフェのイメージに合うパステルカラー、内装や看板メニューの高解像度の写真
- モバイルファースト:スマホでのアクセスが増えているので、レスポンシブなデザインにする
- ユーザーエクスペリエンス:直感的なナビゲーション、アレルギーや原材料の情報を載せたインタラクティブなメニュー、表参道の場所を示す地図と交通機関の案内
- ソーシャルメディアとの連携:Instagram、Facebook、Twitterなどのアイコンをサイト全体に配置する
- 連絡先と予約:予約や質問のための専用セクションと、問い合わせフォーム
- SEO最適化:「表参道 カフェ」などで検索されたときに見つけやすくする
- メンテナンスと更新:継続的な保守と、新メニューの追加への柔軟な対応
英語だからという面もあるかもしれませんが、日本語より、はっきり詳しい内容になりました。
同じ意味のプロンプトでも、トークン数の差で、結果が大きく変わるのです。
使うときの注意
英語で送ったほうが、濃い情報を引き出せるのは確かです。
ただ、少し機械的な文章も混ざります。
人の手で書き直す作業は、欠かせません。
工夫すれば、かなりの部分をChatGPTに任せられます。