AIに表を作らせたら、速くて便利だと思っていませんか?

ところが、サービスの比較や銘柄選びのような調べものは、AIがとくに苦手な領域でした。

この回では、5つのAIの比較表を作らせて採点した結果と、高配当株の投資ポリシーをChatGPTに点検してもらった話を紹介します。

AIに調べものを頼むことが多い方は、ぜひ読んで下さい!


比較表を頼んでみた

ChatGPTが登場してから、新しい生成AIが次々に出てきました。

どれを使えばいいのか分からない方も多いでしょう。

そこで、使い始めたばかりの人になったつもりで、比較表をAIに作ってもらいました。

表の縦軸は、ChatGPT-4o、Perplexity AI、Gemini、NotebookLM、Microsoft Copilotの5つです。

なお、原稿を書いた2024年6月ごろの、当時のモデルでの比較表です。

その後、各AIの無料・有料の仕様も変わっているので、この回の結論のとおり、表の内容は必ず公式ページで確かめて下さい。


横軸は、次の5項目です。

  • 精度(5段階。高いほうが5)
  • 適した用途(いちばん向いている作業を1〜2つ)
  • 画像生成(無料プランで可能・有料プランのみ可能・不可能の3択)
  • 画像読み込み(同じ3択)
  • 有料プランの有無

文章だと分かりづらいので表にしてもらい、初心者向けに難しい情報は省くよう頼みました。


結果は、ほぼ全員が間違えた

ChatGPT-3.5は、この5つの詳しい比較データを持っていないと言って、表を作れませんでした。

採点の対象外です。

ChatGPT-4は表を作りましたが、「表の中のAIはどれも画像生成に対応していない」「どれも画像読み込み機能を持っていない」と書きました。

これは大きな間違いです。

私が確認した2024年6月時点の情報では、Perplexity AIとNotebookLM以外は、無料プランでも画像生成ができます。

Perplexity AIは論文などの資料の分析、NotebookLMは自分でアップロードした資料をまとめるAIなので、画像は生成しません。

ChatGPT-4は65点にしました。


Perplexity AIは90点でした。

一部に間違いはあるものの、おおむね正確です。

調べものに特化したAIだけあって、最新の情報には強いと感じました。

Geminiも90点ですが、「すべての生成AIが画像読み込みの機能を持っている」とまとめるなど、細かいところは外れていました。

Copilotは、自分のサービスの内容をCopilotに聞いたのに「不明」と返ってきて驚き、80点です。

ChatGPT-4oも85点でしたが、画像読み込みを「有料プランのみ」とするなど、やはり間違いが残りました。


見えてきたAIの苦手分野

この表づくりで気づいたのは、サービスや商品の細かい比較は、AIが苦手な領域だということです。

間違いを探して直す時間のほうが、自分で公式サイトを見て調べる時間より長くなることもあります。

とくに、無料か有料か、できるかできないかといった「仕様」は、更新が早く、AIの知識が古いことも多いからです。

AIが得意なのは、材料をもとに考えを整理したり、文章にしたりすることです。

仕様の比較表を作らせるなら、公式ページを貼りつけて、その内容だけから表にさせるほうが安全でしょう。


表の形で頼む工夫そのものは、役に立ちます。

5段階の評価や、3つの選択肢から選ぶ指定が入ると、答えがそろうからです。

ただ、中身の正しさは、必ず自分で確かめて下さい。


銘柄選びをAIに任せない理由

新NISAは2024年に始まり、2026年度の税制改正では、2027年1月から、0〜17歳もつみたて投資枠を使える「こどもNISA」が予定されています。

高配当株を始めようと考えている方も、多いでしょう。

高配当株は、オルカンのようなインデックス投資と違って、自分で銘柄を選ばなければなりません。

最近の日本株は好調に見えますが、この先は誰にも分かりません。

配当も毎年同じとは限らず、無配の年もあります。

選ぶときは、慎重にいきましょう。


先に言っておくと、ChatGPTに銘柄を選んでもらうことは、期待できません。

最新の情報を調べるのが苦手だからです。

では、どう使えばいいのか。

私の答えは、自分の投資ポリシーを評価してもらうことです。

ポリシーを箇条書きにして、次のように渡しました。


次の投資ポリシーで高配当株投資をしています。

長所と短所、改善点があれば教えてください。


・税引き後利回りが3%以上の配当銘柄を選ぶ


・利回りが高くても、過去に無配がある銘柄は避ける


・すでに投資している銘柄が、株価上昇で利回り3%を下回ったら、追加投資しない


返ってきた長所・短所・改善点

長所は3つです。

利回り3%以上を選ぶことで、市場が大きく動くときも安定した収入を求められること。

過去に無配のあった銘柄を避けて、不安定な配当のリスクを減らせること。

利回りが3%を下回ったら追加投資しないので、過熱した市場での過剰な投資を避けられることです。


短所も3つ出ました。

高配当を重視するあまり、成長が見込めて利回りの低い銘柄を見逃すこと。

利回りの基準にこだわると、特定の業界や地域に偏るリスクが増えること。

配当利回りが高い銘柄が、必ずしも良い投資とは限らないこと(配当を維持するために、財務を圧迫している企業もあります)です。

改善点は、利回りに加えて、成長の見込みと財務の健全性も見ること、地域や業界をまたいで分散すること、定期的にポートフォリオを見直して、市場環境の変化に合わせることでした。


点検に使うという発想

たしかに、私の投資スタイルでは、配当は少なくても、これから成長する銘柄には投資できません。

ただ、私は、配当利回り3%以上、またはディフェンシブな銘柄でなければ基本的に買わない、というポリシーを変えるつもりはありません。

将来、資産が増えてきたら、成長株にも少し挑戦してみようと思っています。

自分のルールを言葉にして、客観的な意見をもらうだけでも、考えは整理されます。

銘柄そのものではなく、自分のポリシーの点検に、ChatGPTを使ってみて下さい。