採用した人が、すぐに辞めてしまう。

しかも、待遇は悪くない。

そんな会社の悩みを、ChatGPTに相談したらどうなるでしょうか?

この回では、私が実際に見た職場の離職問題を、日本語と英語で聞き比べ、さらに5つのAIにも尋ねた結果を紹介します。

人材の定着に悩んでいる方は、ぜひ読んで下さい!


条件は悪くないのに、辞めていく

最近は、ブラック企業を避けたい気持ちが強いのか、少しハードな仕事を任されただけで辞めてしまう若い方が増えた、という話を聞きます。

入社してすぐに辞められたら、せっかくかけた採用コストが無駄になってしまいますよね。

一方で、ブラック企業でもなく、条件もそこまで厳しくないのに、人が辞めて困っている会社もあります。

私がいた会社も、そうでした。

条件はそんなに悪くないのに、新しく入った方がすぐ辞めて、何度も新人研修をやり直していたのです。

私は、週2回のシフト制(大型連休や3連休がない勤務)以外に不満はなく、事務系の仕事をしていました。

そこで、退職者が相次いだ理由と、どうすればよかったのかを、ChatGPTに聞いてみました。


相談した職場の条件

特定されないよう、一部変えています。

  • 勤務先は都内。月給25〜30万円、賞与は2〜3か月分、正社員、交通費は実費支給
  • 休日は週2日(基本は曜日固定で、年末年始も稼働)
  • 残業は10時間以内、勤務は9時〜18時、人数は約10名
  • 仕事は、商品の注文データの処理、配送可否の確認、配送データ作成、在庫管理など
  • 求めるスキルは、Excel関数(VLOOKUPなど)
  • 退職理由は、スキル不足でついていけない/まとまった休みが取れない/求められるレベルが高い
  • 一部の社員がほとんど仕事をせず、チームの士気が下がっている

この状況と、自分で考えた問題点をプロンプトに書き添えて、「退職が多い理由の本質」を3〜5個、「今後の対策」を3つ、どちらも見出しつきの箇条書きで出すよう頼みました。


日本語と英語で比べる

日本語の答えでは、退職の本質として、実務に即した研修の不足(Excel中級以上のスキルを学べない)、ワークライフバランス(365日稼働で固定休みのため、まとまった休暇が取りにくい)、高い業務要求による精神的な負担、サボる社員がいて責任が不均等になっているチーム内の問題、が挙がりました。

対策は、Excel研修を基礎から中級まで段階的に強化してメンター制度も入れる、シフトを柔軟にして連休を取りやすくする、メンタルヘルス支援やフィードバックの場で職場環境を整える、の3つです。


英語で同じ内容を入れると、退職理由も対策も5つずつと、少し詳しくなりました。

対策は、スキルレベル別の研修、休暇ポリシーの見直し、メンタリングや定期的なチェックイン、成果を認める表彰の仕組み、前向きな職場文化づくり(サボる社員への対応と期待の明確化を含む)です。

内容はほぼ同じですが、やはり英語のほうが少し詳しいんですね。


もし私が、在籍していたら

今はその会社を辞めていますが、もし残っていたら、次の2つを提案、あるいは自分でやっていたと思います。

1つ目は、実務に即したExcel研修です。

私は仕事の合間にExcelの練習問題を作っていましたが、初心者には難しすぎて、自信をなくさせてしまったかもしれません。

基礎や基本操作から、関数、マクロまで、体系的に学べる教材を作ればよかったと反省しています。

2つ目は、シフトの柔軟化です。

基本は週5日稼働で回していましたが、週3〜4日のシフトの社員やアルバイトを入れれば、休みやすい環境ができるはずです。

年末年始に稼働してもらう方には、特別手当や食事補助(休みの飲食店が多いので)をつけたいですね。

会社の状況や雇用条件を詳しく伝えるほど、具体的な提案が返ってきます。


ケース2:入社1か月で辞める新人を減らしたい

会社員を20年近くやってきて、1か月ほどで辞めてしまう方が、昔より増えた気がします。

そこで、採用した人に辞められないための対策を、5つの生成AIに相談しました。

設定は、中堅IT企業の人事部です。

業績は好調で人が足りず、2024年は10人を採用しましたが、入社1か月で2人が辞めました。

ブラック企業ではなく、6月までの研修期間は定時上がりで、配属後も繁忙期以外は残業が多くありません。

それでも、3年後には3〜4割が辞めています。

ネットの自社レビューから推測した退職理由も、プロンプトに添えました。

  • 大手に比べて給与水準が低い(賃上げはしているが、大手には届かない)
  • アプリ開発やAIなど、最先端の技術を扱う会社に人材が流れている(自社は保守運用と既存システムの改修が中心)
  • 客先常駐の当たり外れがある(通勤時間や客先の社風など)


5つのAIの答えと採点

- ChatGPT-3.5(80点):給与水準の見直し、技術力・スキルの向上支援、成長が見えるキャリアパス、客先常駐の配属方針の見直し。

ボリュームは少なめ


- ChatGPT-4(70点):キャリア開発とスキルアップ支援、労働環境の改善、給与と福利厚生、コミュニケーションの活性化。

情報が足りず、もっと具体的にほしい


- Perplexity AI(95点):成長機会の提供、給与体系の見直しと透明性、ワークライフバランス、社内コミュニケーション、キャリアパスの明確化、健康と福利厚生


- Gemini(100点):入社後のフォロー体制(オリエンテーション、定期面談、オンボーディング、メンター制度)、研修、給与・福利厚生、働き方改革、キャリアパス、客先常駐の改善(客先選定基準、常駐体制、サポート)、従業員満足度調査、社風、採用活動、継続的な改善の10項目。

専門家の声や事例、まとめまで入った、最高レベルの内容


- Microsoft Copilot(80点):キャリアの進展を昇進だけに限定しない、キャリア実験のサポート、組織全体での人材保持の評価、柔軟な働き方、給与と福利厚生、社内文化の改善。

やや少なめ


この比較は、原稿を書いた2024年ごろの、当時のモデルとサービスでの結果です。


使ってみた感想

他社の成功事例など、調べものの相談は、Geminiがいちばん使いやすいと感じました。

次がPerplexity AIです。

ChatGPTは、実データの調査には向いていないかもしれません。

ただ、Geminiが出す「専門家の声」や「事例」には、社名が伏せられた、一般論に近いものも混ざっています。

実在の事例として使うときは、必ず出典を確認して下さいね。