会社の経営判断は、誰にとっても重い決断ですよね。
この回では、社長や管理者になりきって、ChatGPTに経営の相談をした結果を紹介します。
赤字の対策や、事業をやめるかどうかで迷っている方は、ぜひ読んで下さい!
改善提案は、歓迎される
私が20代で勤めていたメーカーには、改善提案をすると1件あたり数百円の報酬が出る制度がありました。
私はどんどん提案して、月に数千円のお小遣いをもらったことがあります。
最近は、そうした会社も減ってきましたが、改善提案そのものは、歓迎する会社が多いのではないでしょうか。
ケース1:町工場の金属加工メーカー
今回は、町工場の金属加工メーカーの収益改善について、ChatGPTにコンサル役をお願いします。
あなたは、中小の金属加工メーカーを率いる社長です。
このところ物価高で、コストが急上昇しています。
現状はなんとか黒字ですが、このままでは今期赤字になる可能性があります。
経費の削減か売上の増加につながる方法を、できるだけ教えてください。
【当社の特徴と課題】受注の5割が大手機械メーカー1社/物価高なのに、その大手機械メーカーからコストダウンを求められている/社員は全員が正社員で、社会保険料の負担が重い/今後は個人や中小企業向けに、オーダーメイドの金属加工を手がけたい/経理が弱く、ムダな経費が出ている可能性が高い
最初の11項目は抽象的
最初の答えは、11項目です。
大手機械メーカーとの交渉(オープンに対話して、まとめ発注の割引や長期契約を探る)、顧客の多様化(特定の1社への依存を減らす)、品質を落とさないコスト削減、労働コストの管理(正社員以外の雇用形態の検討、研修やインセンティブ)、カスタム金属加工への展開、会計と経費管理の強化(会計士やアドバイザーに無駄な経費を洗い出してもらう)、コストの監視と報告、マーケティングと営業の強化、他社との提携、新しい技術の導入、財務計画です。
いろいろな案は出ましたが、「で、具体的に何をすればいいの?」
と思ってしまいますよね。
そこで、日本語で、こう頼みました。
もう少し、具体例をはっきりさせて教えてください。
追加で頼むと、行動に近づく
すると、アクションに近い内容に変わりました。
- 大手メーカーと長期契約を結び、ボリュームディスカウントを得る
- 小ロット生産を始めて、オーダーメイドの金属製品を提供する
- 生産ラインの配置と工程を見直す/エネルギー効率を上げて、電気代とガス代を削減する
- 一部の職種にパートや契約社員を採用して、社会保険料を抑える/パフォーマンスボーナスを導入する
- 個人や中小企業向けに、オーダーメイド金属加工のオンライン受付サイトを立ち上げる
- すべての経費を見直す(例:過剰なオフィス用品の購入を防ぐ)/クラウドの経費管理ツールでリアルタイムに監視する
- ウェブサイトとSNSで、製品の特長とカスタム加工を宣伝する
- 原材料の供給業者と協力して、原材料コストを下げる
- 特定の案件では3Dプリンターを活用して、製造を効率化する
今回はプロンプトをシンプルにしたので、踏み込んだ提案までは出ませんでした。
会社の数字や取引条件など、具体的な情報を入れるほど、精度の高い答えが返ってきます。
ぜひ試して下さい。
ケース2:どの事業から撤退するか
みなさんの会社に、採算の取れない事業はありませんか?
私は個人事業主ですが、不採算の事業は、すっぱりやめるか、続けるにしても、一切コストをかけないようにしています。
ただ、大量の資金をつぎ込んできた事業を、簡単にやめるのは、心理的に難しいものです。
今まで投資したコストが惜しくなり、将来も利益が出ないのに、損が確定するのが嫌で、投資を続けてしまう。
これが「コンコルド効果」で、最近は「サンクコストバイアス」とも呼ばれます。
分かりやすい例えは、ソシャゲのガチャです。
天井がなく、排出率も低いのに、どうしても手に入れたいキャラがいる。
すでに5万円をつぎ込んでも出ない。
でも、あといくらで出るのかも分からない。
こういうときにスパッとあきらめられる人に、撤退の判断を任せたほうがいいのかもしれません。
設定:シェアードコールセンター
今回は、シェアードコールセンターの事業に、採算の悪いものがないかを、ChatGPTに点検してもらいます。
シェアードコールセンターとは、電話オペレーターが複数の案件を掛け持つ運営形態です。
たとえば、A社とB社の電話を、どちらも取れるようにしておきます。
入電が少ない案件や、期間限定の案件に向いています。
この会社は、決算で利益が出ると、パートやアルバイトを含む全従業員に決算賞与が出ます。
3つの選択肢から選ばせて、理由も説明させるのがポイントです。
あなたは、シェアードコールセンターの運営責任者です。
先週、社長から「もっと利益を確保したいので、赤字の事業を洗い出してほしい」と指示されました。
候補の2つの案件と理由を説明するので、次の3つから最適な答えを選び、理由を明確にしてください。
A. 今すぐ撤退すべき/B. 単価とコストを見直し、赤字を解消できる見込みがなければ撤退すべき/C. 今すぐ撤退する必要はない
1. 外食チェーン店のお客様相談センター:受付は9時〜22時で、365日稼働。
休日出勤や年末年始手当で人件費がかさむ。
ハイレベルな品質を求められるのに単価が安く、物価高で単価の引き下げも求められている。
他に取引がなく、打ち切っても他の事業に影響しない。
この案件だけの収支は、先月が50万円の赤字で、前年度は200万円の赤字
2. 不動産賃貸サイトの問い合わせセンター:年末年始を除く毎日受付で、休日出勤などの人件費がかかる。
受付時間は10時から19時。
成功報酬型が中心で、ほかの案件も成功報酬のため、売上が読めない。
収支は、先月が10万円の黒字で、前年度は100万円の黒字。
担当社員が退職する予定で、新たに100万円の採用費がかかる見込み
答えは2件ともB
答えは、どちらの案件もB(単価とコストを見直し、赤字を解消できる見込みがなければ撤退)でした。
外食チェーンの案件は、年中無休で人件費が高く、単価が低くて品質の要求が高く、赤字が続いているので、費用構造を改善する明確な計画がなければ、撤退を検討すべき。
不動産賃貸サイトの案件は、利益は出ているが、採用費100万円と将来の売上の不確実さがあるので、採用費が利益を上回るなら撤退を検討すべき、という理由です。
Bがいちばん慎重で、コストと価格の調整で赤字を解消できる可能性を、注意深く評価するよう勧めています。
どちらも「すぐ撤退」ではなく、「まず単価とコストを見直す」という結果でした。
これはあくまでChatGPTの考えで、絶対に正しいわけではありません。
それでも、検討の材料としては十分に使えます。
採算の悪い事業の扱いに悩んでいる方は、ぜひ試してみて下さい。