FIREを目指すなら、いくら貯めればいいのか。

独身ならまだしも、子どもがいる家庭では、計算が一気に複雑になりますよね。

この回では、4人家族の34歳会社員を例に、ChatGPTに試算を頼み、条件を足しながら何度も修正した過程を紹介します。

FIREを現実的に考えたい方は、ぜひ読んで下さい!


FIREとは

FIREは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字で、経済的に自立し、早期にリタイアすることを指します。

かみ砕くと、金融資産を築き、配当金や分配金だけで暮らすことです。

毎日通勤しなくてよくて、嫌な仕事は断れる、というより、仕事をしなくても生活できる。

毎日が日曜日のような、夢の世界ですよね。


FIREをするには、1年の生活費の25倍の資金が必要だと言われます。

毎年、運用資産の4%ずつを生活費として取り崩せば、30年後でも資産が尽きる確率はきわめて低い、という研究結果(トリニティスタディ)が根拠です。

計算は、100÷4(%)=25(倍)です。

私の場合は、生活費が毎月約20万円(国保と年金を含む)なので、年間240万円。

240万円に25を掛けた6,000万円の資産があれば、FIREできる計算です。

これは、配当金や分配金のほかに収入がない場合の想定です。

ほかに収入があれば、必要な資産はさらに少なくて済みます。


設定:4人家族の34歳

今回は、平均的な年収の34歳会社員が、ChatGPTに相談しながらFIREのプランを決めていきます。

結婚して子どもがいる方は、独身よりFIREの難易度が上がるので、4人家族という設定にしました。

ただ、FIREしてずっと家でゴロゴロするのは、子どもの教育にも健康にもよくありません。

実際にFIREした方の体験談には、「自由になったけれど、何もすることがなくて暇すぎる」という声が多いです。

そこで、FIRE後は、趣味のイラストの仕事で月10万円の収入を目指す、という条件を足しました。


東京都在住の、34歳男性の会社員です。

中堅の商社に勤めています。

年収は500万円で、住宅ローンの残りは3,500万円(ボーナス払いなしで月12万円の返済)。

貯金は、私が700万円、妻が300万円です。

毎月の生活費は約30万円。

妻は在宅でWeb制作の仕事をしており、年収は300万円ほどです。

世帯年収は夫婦で800万円くらいです。

残業は月平均60時間、係長で、上司と部下の板挟みのストレスもあります。

ただ、住宅ローンがあるので、FIREに踏み切れずにいます。

子どもは中学1年生と小学5年生で、数年後から学費の負担が重くなる見込みです。


(質問)1.現在の状況で、私がFIREするために必要な資産の総額は、いくらでしょうか?

私が仕事を辞めた場合、世帯の収入は妻の300万円だけになります。

2.1でその金額が必要な理由も教えてください。


最初の計算

ChatGPTは、次のように計算しました。

  • 退職後の年間生活費は、月30万円×12か月で360万円
  • 妻の年収300万円を引くと、不足分は60万円
  • 25倍ルールで、60万円×25=1,500万円の資産が必要

1,500万円あれば、毎年4%の60万円を引き出して、不足分を賄えます。

今の貯金は合計1,000万円なので、あと500万円足りない計算です。

ただし、インフレや突発的な支出など、不確実性が多いので、より保守的な計画が必要で、子どもの教育費や将来の医療費も計画に入れるべき、という注意がありました。

1,500万円あれば意外となんとかなる、という結果です。

ただ、これだけでは不十分です。

イラストレーターの副業と、娘さんの教育費が考慮されていません。

そこで、条件を足しながら、ChatGPTの計算を修正していきます。


追加1:イラスト収入と教育費

3.FIREをした場合、趣味のイラストを本業にしたいです。

1年以内に月収10万円に届く見込みで、いまもFANBOXから毎月3万円ほどの収入があります。

この場合、FIREに必要な金額はいくらでしょうか。

4.3でその金額が必要な理由も教えてください。

5.娘が2人とも4年制大学を卒業する場合、1人あたり2000万円ほどかかります。

長女と次女が18歳になるまでに、それぞれ2,000万円を用意する前提なら、必要な額はいくらになるか、計算の根拠もあわせて教えてください。


答えは、イラストの月13万円と、妻の月25万円で、月38万円の収入があり、生活費の不足は出ない、というものでした。

ただ、イラストの収入を「3万円に10万円を足した13万円」と解釈していました。

実際には、FANBOXの3万円は10万円に含みます。

教育費は、長女が18歳まで約6年、次女が約8年なので、年間333万円と250万円で、合計583万円の積み立てが必要という計算でした。


追加2:条件を直して、資産額ごとに計算させる

誤りを直し、資産額ごとの必要収入も計算してもらいます。


以下の点を修正してください。

イラストレーターの収入の見込みは13万円ではなく10万円です(FANBOXの収入はその10万円に含みます)。

資産が2,000万円、3,000万円、4000万円、5,000万円のそれぞれでFIREした場合に必要な毎月の収入を、計算してください。

妻の収入は300万円、私の収入は120万円(2人とも青色申告特別控除65万円を使う前提です。経費は2人で合計年間50万円)。


ChatGPTは、実質収入を240万円、生活費360万円との差を年120万円と計算しました。

4%の取り崩しで、資産3,000万円なら、ちょうど不足分を補える、という結論です。

ただ、娘2人の学費が反映されておらず、資産運用をする前提で計算されていました。

直近10年以内に必要なお金は、運用せずに現金で持つのが基本です。


追加3:現金で持つ前提で、学費も入れる

運用はせず、すべて現金で持つ前提で、もう一度計算し直してください。

娘の学費が反映されていません。


教育費の年583万円と、生活費の不足分120万円を合わせて、年703万円が必要になります。

資産だけで賄おうとすると、2,000万円で約2.8年、3,000万円で約4.3年、4,000万円で約5.7年、5,000万円でも約7.1年しか持ちません。

教育費がいかに大きいか、よく分かります。

1人2,000万円は、かなり余裕を見た金額です。

娘さんが国公立大学に進み、下宿をしても、4年間で600万円前後でしょう。

ただ、今後の学費の値上がりを考えると、余裕を見ておくのは正解です。


追加4:稼ぐべき金額を、期間別に出す

資産2,000万円でFIREするのをやめて、私の事業収入を増やす努力をしたいと思います。

娘たちの学費を借り入れなしでまかなうために、毎月稼ぐ必要のある金額を教えてください。

①長女が大学に入学するまで/②①から次女が大学を卒業するまで/③次女が大学を卒業して就職した後(2人とも独立する前提)の3つの期間に分けて、毎月の生活費と合わせて教えてください。


計算ミスがあったので、直して紹介します。

  • ①長女が大学に入るまで:教育費の積み立て約27.8万円+生活費30万円=月57.8万円
  • ②次女が大学を卒業するまで:16.7万円×2+生活費30万円=月63.4万円
  • ③次女が卒業して就職した後:生活費30万円に、老後資金などの貯蓄(月収の20〜30%)を加えて、月42万円〜45.5万円が目安

ようやく、はっきりした数字が出ました。

現在の収入より月35万円ほど多く稼げれば、資産2,000万円でFIREできる、ということです。

副業や事業で月30万円を稼ぐのは、そこまで難しくありません。

もちろん、すぐには無理ですが、正しい方法を学んで着実に実践すれば、少しずつ結果が出ます。

今回は、FIREがいちばん難しい、子どものいる家庭を例にしました。

独身の方や、子どものいない夫婦なら、さらに難易度が下がります。

条件を足しながら、ChatGPTに計算を直させる流れを、ぜひ試して下さい。