電子書籍の表紙を、自分で作るのは大変ですよね。

AIに任せれば楽になる一方で、AIの文章だけでは、作家としての個性が出ません。

この回では、表紙のラフ案を作る方法と、オリジナルの文章が必要な理由を、実例つきで紹介します。

Kindle作家を目指す方は、ぜひ読んで下さい!


表紙のラフ案までは作れる

原稿を書いた2024年ごろは、ChatGPT Plus以上のプランなら、Canva GPTで電子書籍の表紙のラフ案を作れました。

ただし、CanvaのGPTを含むカスタムGPTsは、2026年12月に終了する予定です。

ただ、作れるのはあくまでラフ案で、完成形ではありません。

日本語の文字入りの画像は、生成できないからです。

いずれは可能になると思いますが、当時は無理でした。

その後、日本語の文字に対応した画像生成も登場しています。


日本語だと精度が落ちる

「資産形成を成功させる方法」という本の表紙を作る想定で、日本語と英語を比べました。


電子書籍のタイトルは「資産形成を成功させる方法」とします。

読者の目を引く表紙のデザインを作ってください。


Canva GPTは、まず確認事項を聞いてきました。

メッセージ、感情、雰囲気です。

私の答えは、メッセージが「現代の日本で資産形成を成功させる方法を徹底解説」、感情が「この本を読めば成功できるかも」、雰囲気が「インパクトがあって、明るい配色」です。

画像は生成されたものの、どちらも資産形成の本としては、イメージがかけ離れていました。

強いて言えば、右のほうがまだ近い、という程度です。

日本語のプロンプトでは、適切な画像が出にくいのです。


英語プロンプトに直す

そこで、DeepL翻訳で英語に直して入力しました。


We will publish an e-book titled "How to Successfully Build Assets." Please design a cover that makes a strong impression on readers.


英語で聞き返されたのは、「大胆で刺激的なものか、スマートでプロフェッショナルなものか」というトーンでした。

「資産形成がうまくいくイメージを出したいので、オレンジを基調にした、インパクトのある表紙にしたい。スマートでプロフェッショナルに」

と答えると、5枚が生成され、書籍の表紙にふさわしい2枚が選べました。

画像を選ぶと、Canvaの編集ページに移ります。

文字や素材は編集・差し替えができるので、タイトルと上の画像を簡単に入れ替えてみました。

ただ、今のところ精度が高いとは言えないので、売れている本の表紙の特徴を参考に、自分でデザインするか、外注するのが無難です。

Google画像検索や、Pinterestのような画像を保存できるサイトを使うのも手です。


Adobe Fireflyで作る

表紙づくりに役立つ生成AIが、もう1つあります。

Adobe社の画像生成AI、「Adobe Firefly」です。

基本的にはAdobeのサブスクの契約者が使いますが、無料でも使えます(1か月に25回まで。使い切ったら課金で続けられます)。

プロンプトを英語でしか入力できないデメリットがありますが、Canvaよりデザイン性は高いです。

Adobe Stockの有料素材などを元に学習しているためです。

今回使ったのは、「テキストからテンプレートを生成」する機能です。

Adobe Express(Canvaに近い、Adobe製のツール)で利用できます。

入力欄に、同じ英語のプロンプトを入れると、表紙のテンプレートが生成されます。

英語で入力する必要はありますが、翻訳ツールを使えば難しくありません。

気に入らなければ、再生成もできます。


Kindle作家に、オリジナルの文章が必要な理由

最近は、ChatGPTを使って本を出版する方が増えています。

でも、断言します。

Kindle作家なら、オリジナルの文章も持っておくべきです。

ここでいうオリジナルとは、ChatGPTを使わずに、自分で書いた文章のことです。

ChatGPTの文章を修正したものには、人間の手が入っていますが、オリジナルには含めません。

理由は、ChatGPTに個性がないからです。

プロンプトや学習データで出力は変わりますが、個性はありません。

漫画では、AIになった女性が主人公に恋愛感情を抱く場面がありますが、現実ではまだ実現できていません。

Kindle本には、著者の個性が色濃く表れます。

内容より、その作家が出した本だから買う、という方も、一定数いるはずです。

だからこそ求められるのは、あなたならではの文章です。

専門書のように正確性が求められる場合は、機械的な文章でもよいかもしれません。

ほとんどの場合、著者の個性があってこそ成り立つ本だからです。


実例:ChatGPTの文章と、私が書き換えた文章

まず、ChatGPTに「Kindle作家にとって大切なことは何ですか」と尋ねました。

答えは、市場調査、高品質なコンテンツの作成、プロフェッショナルな編集と校正、魅力的な表紙デザイン、マーケティングとプロモーション、KDPの利用、読者との関係構築、持続的な学習と改善の8つでした。

内容に間違いはありません。

でも、コンピュータと話しているような、虚しい気持ちになりませんか。

AIの出力なので、当然といえば当然ですが。

同じ内容を、私の言葉で書き換えてみます。

  • ニーズ調査:Kindle市場で読まれているジャンルや流行を確認する。2024年1月時点では、ChatGPTなどのAIや新NISAが人気です。難関資格の攻略法のようなニッチな分野にも、読まれている本が多い。Kindleストアのランキングをチェックしておく
  • 質の高いコンテンツ:量産せず、こつこつと質の高い本を出す
  • 編集と校正:これまで100冊以上のKindle作家の本を読んだが、2〜3割に目立つ誤字脱字や文法の誤りがあった。自分の本にもあるので偉そうなことは言えないが、出版前に必ずチェックする。リフロー型は、レイアウト崩れにも注意する
  • 魅力的な表紙:外注(予算は5,000〜10,000円)、PhotoshopやIllustratorで自作、Canvaのテンプレート(有料プランは月額1,500円)の3つ。いちばんのおすすめはCanva。出版後でも表紙は変えられる
  • マーケティング:Kindle出版のコミュニティ、X、YouTube動画での紹介
  • 読者との関係づくり:SNSやコミュニティで読者と良い関係を築き、レビューやメッセージを改善に生かす
  • 持続的な学習と改善:トレンドは日々変わる。Kindle出版は何回でも再出版できるので、継続的に改善して評価を高める

数字や具体的な経験、実際に使っているツールが入るだけで、印象が大きく変わります。

同じ内容でも、書く人の経験が入ると、読み物になるのです。

ChatGPTの文章をベースに、自分の言葉でリライトすると、印象は大きく変わります。

ぜひ試してみて下さい。