自分の絵の上達具合を、誰かに客観的に見てもらいたい。
そんな願いに、AIは応えてくれるのでしょうか。
この回では、私のオリジナルキャラクターの絵をChatGPTに診断してもらい、長所と短所、実力の判定、1年間の成長までを確かめた結果を紹介します。
絵の練習をしている方は、ぜひ読んで下さい!
まず日本語で、長所と短所を聞く
自分で描いたイラストを、ChatGPTに添削してもらいました。
添削してもらったのは、私のオリジナルキャラクター、あかりちゃんのイラストです。
日本語のプロンプトをそのまま入力するパターンと、英語に翻訳して入力するパターンの両方を試しました。
このイラストの長所と短所を、箇条書きで5つずつ挙げてください。
長所として挙がったのは、鮮やかなピンクと赤の組み合わせが目を引く明るい色使い、細部まで丁寧に描かれたクリアな輪郭線、明るくて個性が伝わる生き生きした表情、ジャケットのボタンや襟まできちんと描かれた服のディテール、自然でバランスの取れた立ち姿です。
短所は、影がほとんどなく立体感が不足していること、背景がなく場面の設定が読み取りにくいこと、色の移り変わりが少なくグラデーションや陰影があるとよいこと、一部の線が不安定で太さがそろっていないこと、部分的にぼやけた箇所があり鮮明さが一定でないこと、の5点でした。
配色や輪郭線は、しっかり考えて描いたので、指摘してもらえて嬉しいです。
一方で、影がほとんど入っていないことや、線が安定していないことは、自分でも自覚していたので、「やっぱり言われたか」と思いました。
解像度と仕上がりは、塗りが安定していない、という意味でしょうか。
ちなみに、背景は、見やすさを優先して、あえて白にしています。
短所の改善方法も聞いてみる
短所を聞くだけではもったいないので、直し方も聞きました。
「ありがとうございます。短所を直すために、何をすればよいか教えてください。」
と頼むと、次の答えが返りました。
- 影の使い方:キャラクターに光源を設定して、光源に基づいて影を追加する。影の強さや拡散も考える
- 背景の追加:シーンに合わせて、キャラクターを引き立てる、あまり目立ちすぎない背景を描く
- 色のグラデーションと陰影:グラデーションで色の遷移をなめらかにし、衣服や髪の質感に陰影を加える
- 線の一貫性:線の太さがそろうよう、線画を見直す。デジタルならブラシの設定を調整する
- 解像度と仕上がり:キャンバスを大きくして、拡大しながら細部まで丁寧に作業する。最後に全体を見渡して修正する
ネットワークエラーで途中で止まってしまいましたが、必要な情報はそろったので、これで良しとします。
英語プロンプトだと、観点が少し変わる
同じ絵を英語で聞くと、観点が少し変わりました。
プロンプトは「Please tell me five bullet points about the strengths and weaknesses of this illustration.」です。
長所は、調和した配色(髪とジャケットのピンクが、スカートの赤と引き立て合う)、無駄のないクリアな線画、人気のあるアニメスタイルのキャラクターデザイン、典型的なアニメのプロポーション、いろいろな場面に使いやすいシンプルなポーズ。
短所は、影やハイライトがなく平面的に見える、背景がなく物語や設定が分からない、表情が一般的で強い感情や個性が伝わらない、衣服のひだや髪のテクスチャなどのディテールが少ない、足や靴が体の他の部分に比べて不釣り合いに見える(透視法の不足)でした。
改善方法も、英語で聞いてみました。
陰影については、光源を使った練習をして、布・髪・肌など素材ごとの光の当たり方を学ぶこと。
背景は、シンプルでも設定のヒントがあると大きな違いが出るので、キャラクターで語りたい物語を支えるものにすること。
表情は、眉・口・目の小さな変化で感情が変わるので、複数の表情を描いて練習すること。
ディテールは、衣服のひだを参考資料で学び、髪は束やかたまりを描き入れて動きを出すこと。
透視法は、基本を学び、靴は参考資料やいろいろな角度の写真で確認すること。
どんなスキルも、練習で改善できます。
こまめに描き、フィードバックをもらい、できるだけ実物から学ぶこと、他のアーティストやチュートリアルから学ぶことも、とても役立つ、という締めくくりでした。
AIは仕事を奪うのではなく、楽にしてくれる
正直、美術の先生に指導してもらったような指摘でした。
今後、さらに技術が進んで、ペン入れの添削まで受けられるようになったら、神絵師がどんどん増えるかもしれません。
自分の作品をAIに学習されたくない、という思いから、AIを避けている方もいるでしょう。
でも、AI技術には、あなたの仕事を奪うだけでなく、仕事を楽にしてくれるという一面もあります。
AIの進化を止めることは、これから先も、誰にもできません。
だったら、最先端のAI技術をいち早く身につけて、ほかの方に差をつけてしまいましょう。
実力のレベル判定をお願いしてみた
趣味でイラストを描いて、10年以上になります。
海外向けにイラストを描いて収益を得ている方がいると聞いて、私も、仕事ができる画力まで上げたくなりました。
そこで、自分の絵をAIに診断してもらいました。
自分の作品をアップロードするので、先にChatGPTの学習をオフにしてから始めています。
頼んだのは、3つです。
初心者・中級者・上級者・プロ・神絵師の5段階で判定し、その理由も説明すること。
今のレベルから上に行くために何をするか、具体的に体系立てて教えること。
海外のVチューバー向けに仕事をするには、何をすればよいか、です。
試したのは6つのAIですが、画像を読めたのはChatGPT-4とChatGPT-4oだけでした。
これは原稿を書いた2024年ごろの、当時のモデルでの結果です。
2026年10月時点では、GPT-4やGPT-4oはChatGPTで選べず、今のモデルなら結果が変わる可能性があります。
ChatGPT-3.5は画像のアップロードができません。
Perplexity AIは有料版でないと使えず、GeminiとCopilotは画像を解析できませんでした。
判定は「中級者」
どちらも判定は中級者でした。
理由は、色は明るいが陰影が均一でなく立体感が弱い、線はきれいだが太さの強弱が少ない、手や足のプロポーションが不自然なところがある、というものです。
上を目指すための助言は、光源を意識した影の付け方、人体の模写、線の強弱の練習などでした。
ChatGPT-4oは、解剖学を学ぶ、毎日スケッチをする、色彩理論を学ぶ、背景と構図も描けるようにする、と段階に分けて教えてくれました。
Vチューバー向けの仕事については、ChatGPT-4が海外のトレンドや文化的な要素の研究、ChatGPT-4oが次の流れを示しました。
- BehanceやArtStationにポートフォリオを公開する
- X、Instagram、TikTokに定期的に投稿する
- RedditやDiscordのコミュニティに入る
- Vチューバー本人や関連企業に、直接連絡を取る
- 契約書をよく確認し、料金は技術と市場価値に合わせる
どちらも、この回答には100点をつけました。
添削の料金は無料で、ChatGPT-4oは無料アカウントでも使えます。
1年前の絵と比べてもらう
次に、同じキャラクターを2023年に描いた絵と、2024年に描いた絵の2枚を渡しました。
線画、全体の塗り、影のつけ方、人体の構造、バランス、光源、総合評価の7項目を、5段階の表で評価してもらいます。
さらに、どちらが優れているかと、2024年版の腕でイラストの仕事ができるかも聞きました。
答えは、7項目すべてで2024年版が上でした。
ChatGPT-4は、色彩と影のリアリティが上がったと述べ、仕事は十分にできると答えました。
ChatGPT-4oは、線の滑らかさや立体感、光源の扱いが良くなったと述べ、仕事を始めることは可能で、経験を重ねればプロとして通用すると答えました。
点数は、ChatGPT-4が85点、ChatGPT-4oが95点でした。
正直なところ、採点は少し甘い気がします。
それでも、いつでも、何度でも、客観的な評価がもらえるのは心強いです。
使い方のコツは、評価の軸を自分で決めて渡すことです。
7項目を表にするよう頼んだことで、どこが伸びたかがひと目で分かりました。
AIに抵抗がある方もいるでしょう。
ただ、診断だけなら、絵を生成させるわけではありません。
学習をオフにしたうえで、まずは1枚、試してみて下さい。