練習を続けているのに、本当に上達しているのか分からない。

そんな不安は、絵を描く人なら誰にでもありますよね。

この回では、似た2枚の線画をAIに見比べてもらった実験と、親に反対されたイラストレーターの夢をどう進めるかという進路相談を紹介します。

絵や進路で迷っている方は、ぜひ読んで下さい!


前回の続きで、2枚を比べてもらう

以前、私が描いたイラストを、AIに見てもらったことがあります。

そのときは1枚の評価でしたが、今回は、かなり似た2枚を比べてもらうと、どうなるのかを検証します。


2枚のイラストと判定ルール

2枚は、同じポーズで描いた線画です。

イラストAは1日目、イラストBは3日目に描きました。

本音を言えば、3日目のほうが上手いと言ってほしいところです。

審査員役は、ChatGPTとBing Chatにお願いしました。

プロンプトは日本語と英語の2パターンで、合計4回評価してもらい、「上手い」と言われた回数で決めます。

(原稿の執筆時の組み合わせです。どちらも、その後名前が変わっています)

両方とも2回ずつなら、引き分けです。

本当はBardでも試す予定でしたが、Bardは人物の画像にまだ対応していなかったので、今回は2つにしました。


評価を頼む文面

あなたはプロのイラストレーターという立場です。


同じ構図で描いた2枚の線画のうち、どちらが上手いと感じるか、評価してください。


3日間イラストを練習したときに描いたもので、1枚目は1日目、2枚目は3日目の絵です。


#評価の方法


・2枚の線画を比べて、よりプロに近い描き方をしている1枚を選んでください。


・その1枚を選んだ理由を、具体的に、はっきり説明してください。


ポイントは、役割を与えること、選ぶ数を「1つ」に絞ること、理由を求めることです。

Bing Chatは画像を1枚しかアップロードできないので、2枚を1枚にまとめ、「左が1日目、右が3日目」と書き換えました。


ChatGPTの評価

日本語でも英語でも、判定は「2枚目(3日目)のほうが上手い」でした。

日本語の理由は、線の自信と流れ(腕の線やスカートのプリーツ)、ディテールの向上(服のシワやプリーツ)、比例とバランス(手のサイズや腕の長さ)、表情の表現(目や口)です。

英語の回答は、1枚目を「線は一貫しているが少し硬く、手や足にわずかな不整合がある」、2枚目を「髪やスカートの線がより流れるようで、表情が生き生きして、手や制服のしわが精密」と、1枚ずつ分析してくれました。

さらに、1日目から3日目への上達は、自分の作品からのフィードバックを素早く吸収して生かせている証拠で、プロのイラストの世界で伸びる可能性の高さを示している、とまで評価してくれました。

ここまで言われると、さすがに照れますね。


Bing Chatの評価

こちらも、日本語と英語のどちらでも、3日目のイラストのほうが上手いという判定です。

日本語の回答は、線の質感が向上している、プロポーションが改善されている、髪や衣服、アクセサリーのディテールが向上している、という理由に加え、改善案が出ました。

筆圧を整えて線の太さをそろえる、細いペン先で線の端をなめらかにする、体のバランスを整える、目や口をもっと細かく描く、といった内容です。

英語の回答は、線がよりクリーンで自信がある、手と足の比率がより正確、顔の特徴や衣服の折り目が洗練されている、という理由でした。

イラストを評価する基準として、技術的熟練度、感情的な感覚、歴史的な関連性、影響と革新も紹介されましたが、練習中の線画の評価には、あまり関係のない内容でした。


ChatGPTもBingも、軍配は3日目のイラストに上がりました。

じつは、3日目のほうが下手になったのでは、と心配していたので、練習の成果が出ていたと分かってほっとしました。

画像解析の技術が進めば、イラストを添削してくれるAIサービスも出てきそうですね。


私がイラストを趣味で描き始めたのは、2010年です。

2013年に同人活動を始め、イベントで自作の同人誌を配ることも多く、2022年には、イラストのアイコン制作で報酬もいただきました。

近ごろは、趣味で絵を描く人がYouTubeやFANBOXで収益を得る例も増えています。

とくに学生さんなど若い世代には、絵や漫画で稼ぎたい方も多いでしょう。

今回は、その方法をChatGPTに尋ねました。

日本語と英語の両方で試しています。


前提条件

高校3年生の女子が、来年から理系の大学へ進学します。

本当はイラストレーターを目指して専門学校か美大に進みたかったのですが、親の反対と、合格の見込みが低いことから、得意な理系の大学を選びました。

大学でもしっかり勉強したいですが、イラストレーターの夢は諦めきれません。

親が反対する背景には、イラストレーターは収入が安定しないという印象があります。

イラストで収益を出せれば、親も認めてくれるはずだと考えています。

悩みは3つです。

  • 進路:在学中に、イラストの専門学校へ並行して通ったほうがよいか。学費が厳しく、奨学金を借りるかもしれない
  • 卒業後の仕事:学部は情報処理系で就職には困らないが、イラストレーターの仕事はない。卒業の時点で会社員の初任給を超える収入があれば、就職せずフリーランスになってよいか
  • 在学中:1〜2年生は忙しくないので、その間にイラストの仕事を必ず始めたい。仕事の獲得方法を知りたい

アドバイスを求めて、理由も明確に教えてほしいと頼みました。

オンライン講座や無料の教材で費用を抑える、奨学金は返済計画を立てておく、フリーランスは収入が不安定なので長期の見通しが要る、FiverrやUpworkなどで仕事を探す、という内容でした。

詳しいのですが、どっちつかずな回答が多い印象です。


「はい」「いいえ」で答えてもらう

そこで、はっきりした答えを出してもらうように頼みました。


ありがとうございます。


将来を真剣に決めたいので、以下の質問には「はい」か「いいえ」で、はっきり答えてください。


質問3だけは、質問に書かれた指示のとおりに答えてください。


あなたの独断で構いません。


理由も教えてほしいです。


質問1 大学に入ったら、専門学校やオンライン講座は使わず、大学の勉強だけに集中したほうがよいですか?


質問2 卒業時に会社員の初任給より多く稼げているなら、就職せずにすぐフリーランスになってよいですか?


質問3 在学中にイラストの仕事を取る方法を、順を追って分かりやすく教えてください。


「あなたの独断で構いません」と許可するのが、ポイントです。

回答は次のとおりでした。

  • 質問1:「いいえ」。大学の学びとイラストの学びは、互いに補い合える。専門学校に通わなくても、オンラインコースや自己学習で、時間とお金の負担を抑えられる
  • 質問2:「はい」。収入が初任給を上回るのは、スキルと作品が市場で評価されている証拠。ただし、財務管理と、緊急時の資金計画は必要
  • 質問3:ポートフォリオ作り、投稿サイトへの登録、SNSでの発信、人脈づくり、依頼主とのやり取り、の5段階

英語のプロンプトにも改良して入れましたが、結果はほとんど同じでした。

英語の回答では、質問3が7ステップになり、ビジネスの基本(価格設定、契約、請求書、時間管理)を学ぶこと、勉強と仕事の時間管理、定期的にフィードバックを受けることが加わりました。

昔は日本語と英語で答えが食い違うこともありましたが、いまはChatGPTの精度が上がったのかもしれません。

このように、悩みをChatGPTに相談することもできます。

ただし、あくまで参考程度にしておいて下さいね。