「毎月8.5万円なら、家賃と同じだから払えそう」。
そう思って、住宅ローンを組もうとしていませんか?
実は、家を持つと、ローン以外にも、必ずお金がかかります。
この回では、月8.5万円の返済が、実際には12.3万円になる理由と、家計を試算するときのルールを紹介します。
購入前の方は、ぜひ読んで下さい。
返済額のほかに、毎月かかる4つのお金
多くの方は、銀行が示す「毎月の返済額」だけを見て、判断してしまいます。
でも、家を持つと、ほかにも費用が発生します。
見落とすと、住み始めてから、「こんなにかかるなんて」と青ざめることになります。
固定資産税。
家や土地を持っていると、毎年かかる税金です。
都市部の新築マンションなら、年10〜20万円ほど。
一戸建ては、土地と建物の評価額しだいで、数十万円になることも珍しくありません。
管理費と修繕積立金(マンション)。
毎月、数万円を、管理組合に払います。
新築時は安めでも、年数がたつと上がることがあるので、注意しましょう。
修繕費(一戸建て)。
管理費は要りませんが、その代わり、自分で貯めておく必要があります。
外壁の塗装、屋根の補修、給湯器やエアコンの交換が、10〜20年ごとに必ず来ます。
毎月1〜2万円は、別枠で積み立てておくのが現実的です。
火災保険と地震保険。
火災保険は、必須です。
地震保険は、中身をよく理解して選んで下さい。
加入するかどうかは、専門家の解説動画なども見て、しっかり考えましょう。
3,000万円を借りたときの、毎月の負担
3,000万円を、金利1%・35年で借りる場合を、ChatGPTに試算してもらいました。
あくまで目安です。
- ローンの返済:約8.5万円
- 固定資産税(月割り):約1万円
- 管理費・修繕積立金(マンションの場合):約2.5万円
- 火災保険など:約0.3万円
- 合計:約12.3万円
銀行や不動産会社が見せるのは、8.5万円です。
でも、家を維持するのに実際に必要なのは、12.3万円。
この差は、大きいですよね。
手取りで見ると、住居費は重い
手取りで考えてみましょう。
総支給が30万円なら、社会保険料や税金で約6万円が引かれ、手取りは24万円ほどです。
そこから12.3万円が住まいに消えると、生活費に使えるのは、11.7万円。
食費、光熱費、通信費、教育費を、この額でまかなえるでしょうか。
購入の前に、ぜひ、シミュレーションしてみて下さい。
収入として数えてよい範囲
黒字になるかどうかは、収入をどこまで数えるかで変わります。
私のルールは、次のとおりです。
基本は、基本給ベースの手取り。
残業代とボーナスは、数えません。
ボーナスは、業績が悪ければゼロになります。
残業代も、働き方改革などで、急に削られることがあります。
労働時間の規制緩和は、原稿を書いた2025年12月ごろに話題になり、2026年9月に、国の審議会で本格的な議論が始まりました。
稼ぎたい方には、追い風になるかもしれません。
ただ、まだ決まったわけではないので、油断は禁物です。
共働きは、片方だけで黒字になるか
共働きでペアローンを組む場合は、片方の収入だけでも黒字になるかを、確認しましょう。
2人分の収入を計算に入れること自体は、問題ありません。
ただ、出産や育児、転勤や失業、病気や介護で、収入が減ったり、ゼロになったりすることがあります。
2人の収入を前提に、フルローンを組むと、片方の収入が途絶えたとき、一気に苦しくなります。
副業は、直近6か月の最低額で見る
副業は、あくまで「プラスα」です。
「副業があるから返せる」と見込んで組むのは、危険です。
継続して収入があるなら、直近6か月で、いちばん低かった月を基準にします。
たとえば、7月に計算するなら、1月から6月を見ます。
1月30万円、2月10万円、3月20万円、4月15万円、5月50万円、6月35万円だったとします。
この場合、いちばん少ない2月の10万円を使います。
「平均や中央値ではダメなの?」
と思いますよね。
この6か月の中央値は、25万円です。
それでも最低の月を使うのは、余裕を持たせるためです。
副業の収入は、安定しません。
私もフリーランスですが、月収40万円の月もあれば、2万円の月もありました。
想像より、浮き沈みは大きいです。
ローンを組んでよい最低条件
まとめると、住まいにかかるお金をすべて払っても、毎月の家計が黒字であること。
これが、ローンを組んでよい最低ライン(私が考える条件の1つ目)です。
収入は、「基本給の手取り」と、「最低ベースの副業収入」の合計で見ます。
ここさえ守れば、よほどのことがない限り、ローンで行き詰まることはありません。
逆に、ここを甘く見ると、家計は一気に赤字に転落します。